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信じることで成り立つ私たちの日常とは? 信じることと疑うことの関係

 

2020/01/16

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。

食べるものは吟味する?

俳優の遠藤憲一さんは、強面でありながら、親しみやすい人柄が人気です。
先日出演していた番組で、食に関する話をされていました。

遠藤さんは、ある食事処に入って一度頼んだメニューを、次の日もその次の日も頼むのだそうです。
他のものを頼んで、万が一口に合わなかったら残念なので、他のメニューは頼まないのだとか。

またある時は、料亭でカキが旬だから美味しいと勧められたそうですが、「あたったらどうしよう」の思いから、食べられなかったそうです。
それ以降、カキは口にしていないと話していました。

慎重すぎるくらい慎重なエピソードですが、私はとても共感した1人です。
このような行動になるのには、根底に疑いの気持ちがあるからでしょう。
他のメニューを頼んだら、もしかすると口に合わないんじゃないだろうか。
このカキを食べたらあたるんじゃないだろうか。
だからこそ、悪い結果が来ないように慎重に行動するのです。

一方、そんな深刻に悩まず、即決する人もあります。
きっと他のメニューも美味しいはずだから食べてみよう。
カキといっても、自分が食べるカキはあたらないだろう。
大丈夫だと信じて、注文をするのです。

信じることで成り立つ日常

思えば、私たちの日常はどんなものも信じることで成り立っています。
今日は1日晴れるだろうと信じるから傘を持っていかないのですし、事故渋滞には巻き込まれないと信じているから毎朝同じ時間に家を出るのです。
家に帰れば家族が待っていると信じていますし、今日も明日も健康でいられると信じているのではないでしょうか。

「信心」と聞けば、神や仏を信じることをイメージする人がほとんどです。
だから、自分には信心はないと思っている人が多いと思います。
しかし、「心で何かを信じること」の意味から言えば、私たち一人ひとりが信心を持っていることになります。

信じるとは、言い換えれば、何かを頼りにし、支えにするということ。
何も頼りにしていない、あてにしていない、という人はいないのではないでしょうか。
何かを信じていなければ生きていけないのが私たちなのです。

信じていたものに裏切られるとき

そんな私たちにはしばしば、「信じていたものに裏切られる」ということがあります。
天気予報を信じて傘を持っていかなかったのに、実際には土砂降りの雨に見舞われた。
いつもと同じ時間に家を出たら思わぬ事故渋滞に巻き込まれ、遅刻した。
妻が家で待っていると信じて帰宅したら、書置きを残して出て行った後だった。
自分は健康体だと信じていたのに、いつのまにか病気が進行していた。

信じる気持ちが強ければ強いほど、裏切られた時のショックは大きく、深く傷つくことになってしまいます。
だからこそ、その痛みを知っている人は、信じることに対しても慎重になるのでしょう。
この料理を頼んで本当に大丈夫だろうか。やっぱりいつものメニューを頼んでおけばよかったと後悔しないだろうか。
自分の食べるカキがあたらないとは言い切れない。万が一当たったら大変だから食べないでおこう。
そうして、裏切られないような選択をしようとしているのです。

ところが、どんなに吟味したものでも、絶対に裏切らないとは言い切れません。
仏教では私たちが暮らしている世界のことを「火宅無常の世界(かたくむじょうのせかい)」と言われます。
いつ何が起きるか分からない、不安な世の中に住んでいるということです。
この世の中には、何かのことがあれば、簡単に私たちを裏切っていくものばかりなのではないでしょうか。

信じるとは、疑うことの裏返し

では、私たちは何をあてにし、頼りにすればよいのでしょうか。
仏教には、絶対に私たちを裏切ることのない幸せの世界が示されています。
それは、信じ込んだり思い込んだりするものではなく、はっきりと知らされる時があると教えられている世界です。

仏教には「信疑一如(しんぎいちにょ)」という言葉があります。
私たちは「信じる」とは「疑わない」ことだと思っていますが、疑う余地のないことは「信じる」とは言わず、「知っている」と言います。
信じるとは、疑っていることの裏返しであるということです。

親鸞聖人は裏切らない幸せの身になったことを「真に知んぬ」、蓮如上人は「明らかに知られたり」と書かれています。
ツユチリほどの疑いもなく、はっきりと知らされる世界があることを説かれているのです。
ですから、はっきりするところまで聞きなさい、と教えられました。

頼りにするもの、支えにするものをよくよく見つめていきたいと思います。
それでは、また。

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