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親しいからこそ言えない? 相手を大事にするために知っておきたい自分の心

 
親友

2017/10/03

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

チューリップ企画スタッフのわかです。

印象的な2つの質問

東京にある日本科学未来館のチケットの裏に、哲学的な問いかけが書かれていると話題になっていました。

展示を通して科学技術に関する知識や情報を提供するだけでなく、来館者1人ひとりに科学技術や地球の未来を考えてもらい、さらには行動につながっていくような場を提供したい、という思いが込められているそうです。

問いかけは全部で8種類あり、どれも面白い質問でしたが、中でも私が気になったのは、次の二つの質問です。

「永遠に生きられたら、永遠に生きるだろうか?」

「どんなに親しい人にも知られたくないことがあるのは、なぜだろう?」

前回は「永遠に生きられたら、永遠に生きるだろうか?」の問いについて考えました。

→求めているのは永遠の命? 哲学的な問いに隠された私たちの本当の願いとは

今回は、もう1つの問い「どんなに親しい人にも知られたくないことがあるのは、なぜだろう?」について見ていきたいと思います。

親しい人ってどんな人?

「親しい人」の究極をいえば、何でも言い合えて、お互いを理解しあっていて、誰よりも信頼できる人ということでしょう

「阿吽の呼吸」「ツーカーの仲」とも言いますが、多くを語らなくても、ちゃんと言いたいことが伝わる。そんな関係に多くの人が憧れを持っているのではないでしょうか。

人間関係は、どんな場面においても気を遣うものです。

私たちはみんな、変な奴だと思われたくない、立派な人だと見られたいと思って生きていますので、外ではきっちりとした自分を演じています。

これを仏教では「名誉欲」と言われます。

演じすぎて本来の自分とのギャップに疲れてしまう、という人も多くいるようです。

その点、親しい間柄の人であれば、無理することもありません。

自分のことを理解してくれている人ですから、言葉が少なくても、ちゃんと受け止めてくれるでしょう。

一緒にいて楽な存在だからこそ、長く付き合いを続けられるのですね。

そのように親しい仲であれば、どんなことでも話せるし、また、分かってほしいものだと思うのですが、親しい人にも知られたくないことなんてあるのでしょうか。

仏教に説かれる人間の姿

仏教では、私たちの姿を「煩悩具足の凡夫」と説かれています。

「具足」とは「それでできている」ということで、「凡夫」とは「人間」のことですから、煩悩でできているのが人間だ、ということです。

では、「煩悩」とは何でしょうか。

文字通り、私たちを煩わせ、悩ませるものが煩悩です

全部で108つあり、中でも特に恐ろしいと言われるのが、欲、怒り、ねたみ・そねみの3つの心です。

は5つのものに分けられます。

食べたい飲みたい、という食欲、1円でも多く儲けたいという財欲、異性を求める色欲、ほめられたい、好かれたいという名誉欲、眠たい、楽がしたい、という睡眠欲です。

私たちは日々これらの心に動かされ、満たすことを喜びとしています。

その欲が妨げられると出てくるのが、怒りの心です。

怒りはよく炎にたとえられますが、導火線に一度火が付いたら止めることはできません。

怒りを全面に表して後悔した経験のある人は、星の数ほどいるでしょう。

そして、怒ってみてもどうしようもない相手には、ねたみやそねみの嫌な心が出てくるのです。

人の幸せが喜べない、人の不幸が喜びのタネ。

良くないこととは思いつつも、心で思うことだけはどうしようもありません。

ありのままには見せられないこと

これらの心は、すべての人にあると言われています。

人を押しのけてでも、自分の欲を満たそうとしたり。

自分の怒りがおさまるまで、人を攻撃してしまったり。

嬉しそうな顔がおもしろくないからと、人を不幸に追い込もうとしたり。

決して人には見せることのできない、恐ろしい心を抱えているのが「煩悩具足の凡夫」なのです。

お釈迦さまは、「心口各異 言念無実(しんくかくい ごんねんむじつ)」と説かれています。

これらの心を抱えている限り、私たちはありのままをさらけ出すことはできません。

だからこそ、心のままを口に出すことのないよう、自分を抑えて演じているのです。

次のような話を聞いたことがあります。

好きなものや趣味が合い、とても話しやすくて意気投合した子。

親友として、ずっと仲良くしてきたけれど、一緒にいてどうしても気になるところがある。

ある時、我慢できなくなって、ついついそれを口に出すと、相手はショックを受け、一気に関係も崩れ、元には戻れなかった…。

仲がいいからこそ、自分の思いを分かってほしい。隠し事はしたくない。

けれども、ありのままを告げてしまったら、きっと自分から離れて行ってしまう。

仲がいい人であればあるほど、失えば痛みが大きくなるものです。

失いたくないと思えば、言えないこともたくさん出てくるのではないでしょうか

大事にしたいからこそ、知っておきたいこと

どんなに親しい人にも知られたくないことがあるのは、なぜだろう?

自分の心を深く掘り下げていくと、決して表に出せないことがたくさんあるのに気づきます。

それは、見たくないこと、知りたくないことばかりかもしれません。

しかし、そういう心があると自覚するところから、相手への配慮も生まれてくるのだと思います

人間の姿をよく知ると、親しいからこそ、言わない方が良いこともあると分かります。

お釈迦さまを偉大な心理学者だと表現した人もありますが、人間の心をより詳細に説かれている仏教を聞くと、自分の心と向き合うよい機会になるかもしれません。

それでは、また(^^)/

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この記事を書いたスタッフ
わか
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。 静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。 日常の様々な出来事を物語化することが好きです。 学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。 そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。 今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!