暮らしの中で

恩を知り心からの「ありがとう」を母の日に|親の大恩十種とは

 
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2017/05/30

今週の日曜日は母の日ですね。

大学時代に花屋でアルバイトをしていたのですが、母の日は大忙しでした。4,5歳くらいの小さな子供が小銭を握りしめ、1本のカーネーションを買いに来ることもあり、ほほえましい気持ちになったものです。

感謝は恩を知ることから

母に感謝を伝える日が「母の日」ですが、孝行しなければならないと頭では分かっていても、改めて感謝の気持ちを表すのは、照れくささがあったりして、なかなか難しいという人もあるでしょう。

感謝を伝えるといっても、母からどんな恩を受けているのか知らなければ、何に感謝すればよいか分かりませんね。

仏教でも、恩を知ることが大切であると教えられます。

知恩(恩を知る)

感恩(恩を感じる)=感謝

報恩(恩に報いる)

恩を知るほどに感謝の気持ちが強くなります。そして、心から孝行しようと思うのですね。

親の大恩十種

お釈迦さまは、『仏説 父母恩重経』に親の恩を十にまとめて教えられています。

親の大恩十種

一、懐胎守護(かいたいしゅご)の恩

二、臨生受苦(りんしょうじゅく)の恩

三、生子忘憂(しょうしぼうゆう)の恩

四、乳哺養育(にゅうほよういく)の恩

五、廻乾就湿(かいかんしゅうしつ)の恩

六、洗潅不浄(せんかんふじょう)の恩

七、嚥苦吐甘(えんくとかん)の恩

八、為造悪業(いぞうあくごう)の恩

九、遠行憶念(おんぎょうおくねん)の恩

十、究竟憐愍(くきょうれんみん)の恩

今回は、母の日にちなんで、母のどんな苦労があってこの世に生を受けたのかを見ていきます。女性でなければできないことが出産です。出産に関する母の恩を2つご紹介しましょう。

懐胎守護の恩

一番目に挙げられるのは、懐胎守護の恩です。子どもが宿ってから、出産するまで、10カ月もの間、血肉を分け与え、子どもの成長を念じてくださるご恩です。

臨生受苦の恩

二番目には、大変な苦しみに耐え、出産してくだされるご恩です。

陣痛に戦争で使う「」の字が使われるのも、昔は出産によって命を落とす母親が現代以上に多かったので、文字通り女性にとって戦場だったのでしょう。

陣痛・出産の苦しみを、次のように表現する人もあります。

「腰が砕けるようだった」「鼻からスイカを出すような痛み」

出産にまつわるこんなエピソードが紹介されていました。

「ああ、これは本当に青竹が割れるわ」

結婚して胎内に子供が宿り、どんな子供がお腹の中にいるのか、主人と毎日、子の成長を楽しみに待ち望んでいました。

食べ物にも気をつけ、胎児が少しでも安らぐようにと、美しい風景を見たり優しい曲の音楽を聴いたり、自分のお腹の上をなでなでして、「頑張って生きるんだよ!」と励まして、子の成長を喜びました。

車や飛行機に乗る時、人込みの中に入る時にはお腹の子供のことが心配で母親は身構え、父親は重い荷物を持って、子供の負担を少しでも軽くします。妊娠すると母親は子供が無事に生まれてくることだけを念じます。それはいっときとして途絶えることがありません

いざ出産となり、分娩台に上がった時は、「ああ、これは本当に青竹が割れるわ」と思うぐらいの苦しみでした。

そういう苦しみがあって生まれてきたわが子を見て、感無量でした

生まれてきてくれてありがとう!頑張ったね!これから一緒に艱難辛苦乗り越えていこうね!ということを繰り返し生まれたてのわが子に言っていました。

父も母も姉も皆喜んでいました。その生まれてきた子供の一生にかかわろうとするのが親であり、何ものにも勝る宝が子供であると知らされたのです。

(『親のこころ』)

普通なら苦痛を与える相手に「ありがとう」など言えないものですが、母の子に対する愛情だけは違うのでしょう。この世で最も大きな慈悲と言われるのも頷けます。

親の恩を知ることでまっすぐに生きる力が湧く

親になり初めて知る親心」と言われるように、自分が出産や子育てを経験していないと、親の苦労が分からず、自分一人で大きくなったかのように錯覚し、ためらいもなく親を悲しませる言動をしてしまうのかもしれません。

辛いことや苦しいことがあった時、

「なんで生まれてきたんだろう」

「親が生みさえしなければ、こんなに苦しい思いをせずにすんだのに…」

「さっさと生きて、さっさと死にたい」という思いが浮かぶことはないでしょうか。

母が命がけで与えてくれた生命を、どれほど大切にして生きているだろうか、と反省させられます。

親の大恩十種を知らされるほどに、子供は真っ直ぐに生きようと勇気が出るのでしょう。そして親もまた子供に健康で幸せに生きてほしいと願っているでしょう。

母の日には、元気な姿を見せるか、離れている人は電話で声を聞かせると、安心し一層喜ばれるのではないでしょうか(*^^*)

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

それでは、また次回ヾ(。・v・。)

-暮らしの中で

この記事を書いたスタッフ
みやこ
チューリップ企画スタッフのみやこです。主に電話でのお客様サポートや『朗読版とどろき』の吹き込みを行っています。 信仰心の篤い浄土真宗の家に生まれたので、3歳の時にはすでにお仏壇の前で「正信偈」をあげており、小学1年生の時には諳(そら)んじるまでになり得意顔で親に披露していたものです。平成生まれにしては、ちょっと珍しい特技だったかも?(笑) 兄と弟に挟まれおてんばに遊んでいた私も、思春期になりある悩みが頭をもたげます。それは「私とは何者か?」「死が恐ろしい」…なかなかディープですよね。クラスメイトには悩みに共感してもらえなさそうで、周りより少しクールな中高生だったように思います。 その頃から「仏教に答えがあるのでは?」と仏教書を読んだりするように。なんやかんやあって、今では仏教月刊誌を出版する会社に就職!ブログでは「なんやかんや」で知らされた仏教の深さをお届けしたいと思います。よろしくお願いいたします。