スタッフブログ 暮らしの中で

見えないところで受けている恩を知ろう 寝ても覚めても思い続ける親心

 

2020/01/16

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。

あいさつの推進と実践

何気なく近所を散歩していると、近くの中学生が元気よくあいさつをしてくれる、という話を聞きました。
見知らぬ人にあいさつをするのは勇気のいることなので、すごいなあと感心します。

最近は学校であいさつがさかんに勧められており、そういう習慣が身についているのだそうです。
そういえば自分自身も「あいさつ運動」で校門に立ってあいさつに励んでいた時があったと懐かしく思い出しました。
家庭でも、「人と会ったらきちんとあいさつしなさい」と教えられているのでしょうね。

子を持つ親のジレンマ

しかし一方で、最近の子どもたちは「見知らぬ人に声をかけられてもついていったらいけない」と徹底して言われているそうです。
最近新潟で小学生の女の子が殺されてしまう痛ましい事件もありました。
犯人は近所に住む人だったというのだから、同じ子を持つ親御さんとしてはたまったものではありません。
警戒心が高くなるのも仕方のないことと言えます。

きちんとあいさつができる子に育ってほしい。でも、危ない目には遭ってほしくない。
うまくバランスをとって教えられたらよいのでしょうが、そんな簡単なことでもないように思います。
子どもを育てるということは、そういう悩みの連続なのでしょうね

お釈迦さまの説く親の恩

仏教では、恩を知り、恩を感じ、恩に報いることが大切だと教えられています。
「恩」という字は「原因を知る心」と書いてあります。
自分がここまで育ってこれたのは、なぜなのか。
誰の支えがあって、今こうして生活していけるのか。
改めて考えてみると、たくさんの人のおかげであることに気づきます。

その中でも、特に大きな恩を受けているのは親です
自分のために時間もお金も労力も使って、それでも一心に幸せを願ってくれる人は他にないのではないでしょうか。
では、親からどんな恩を受けているのか。
お釈迦さまは「父母恩重経(ふぼおんじゅうきょう)」というお経で「親の大恩十種」について説かれています。

(1) 懐胎守護の恩(かいたいしゅごのおん)
(2) 臨生受苦の恩(りんしょうじゅくのおん)
(3) 生子忘憂の恩(しょうしぼうゆうのおん)
(4) 乳哺養育の恩(にゅうほよういくのおん)
(5) 廻乾就湿の恩(えかんしゅうしつのおん)
(6) 洗潅不浄の恩(せんかんふじょうのおん)
(7) 嚥苦吐甘の恩(えんくとかんのおん)
(8) 為造悪業の恩(いぞうあくごうのおん)
(9) 遠行憶念の恩(おんぎょうおくねんのおん)
(10)究竟憐愍の恩(くきょうれんみんのおん)

寝ても覚めても子どものことを

今回はこの中の1つである「遠行憶念の恩」について紹介したいと思います。
お経の中には次のように説かれています。

若し子遠く行けば、帰りてその面を見るまで、出でても入りてもこれを憶い、寝てもさめてもこれを憂う

子どもが自分の見えるところにいればまだ安心できるかもしれませんが、大きくなればなるほど、ずっと一緒にはいられません。
子どもが遠方に出かけることもあるでしょう。
親元を離れて一人暮らしをすることもあるでしょう。
そうなれば、どのように過ごしているだろうかと気が気ではないのです

最近はいろいろと物騒な事件もあります。
学校の行き帰りでさえ、大丈夫だろうかと心配になるのではと思います。
高校時代、友達と寄り道して遅くなってしまったとき、必ずと言っていいほど携帯にメールが届きました。
食べてくるよと予め伝えていても、遅くなると何かあったのでは、と心配してくれていたのだと思います。

恩を知って感謝を伝えよう

子どもは親のことをしばしば忘れがちでも、親はずっと子どものことを考えていてくれる。
そのご恩を言われたのが「遠行憶念の恩」です。
思いは目に見えませんから、子どもは親の心配など気づいてもいないかもしれません。
だからこそ、見えないところでどれほどのご恩を受けているのか知りなさいよ、と親の恩を教えられているのです

親が子に願うのは、子どもが幸せでいてくれること、まっすぐ育ってくれることだと言われます。
そういう意味でも、あいさつがきちんとできるようになることは、親を喜ばせる一つの方法なのかもしれませんね。

母の日はすでに終わってしまいましたが、これから父の日もあります。
この機会に、受けた恩をよくよく見つめて、きちんと感謝の気持ちを伝えていきたいですね。

それでは、また(^^)/

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