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転職を繰り返す人が見落としているもの 「はたらく」から学ぶ仕事を楽しくする近道

 

2020/01/16

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。

先日、作家の伊集院静さんがテレビに出演していました。
数々の作品を世に出している有名な方ですが、毎年4月に新社会人に向けてメッセージを贈られているそうです。
毎年のメッセージを見ていると、共通して言われていることがあります。

「フレッシュマンよ、今日からは自分だけのために生きてはいけない。
仕事とは誰かを、社会をゆたかにするものだ

1年以内に離職していく新卒社員

昨年厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況」では、新卒で入社した社員が1年以内に離職する率は約11パーセントだそうです。
新卒で入社した人の10人に1人が、1年たらずで会社を辞めているということです。
私が以前働いていた会社でも、1週間とたたずに辞めていく人がありました。
自分が思い描いていた働くということと、現実があまりにもかけ離れていたからなのでしょう。

理由として、人間関係が合わないこと、社風が合わないこと、仕事内容が思っていたものと違っていたということが挙げられるそうです。
確かに、仕事というのは一生ついて回るもの。
大体20歳前後で働き始めて、65歳の定年を迎えるまで45年間。
1日のうち8時間は仕事ですから、人生のうち約3分の1は仕事に費やしていることになります。
自分に合わない仕事を45年間も続けるのは耐えられないと思っても無理はありません。

では、辞めて別のところに行ったら自分にぴったりの仕事が見つかるかというと、そういうわけではないようです。
転職をしてもまた同じ理由で辞めてしまい、離職を短期間で繰り返す人も多いのだとか。
それらの人に共通しているのは、「自分を変えずに環境だけを変えようとする」という点だといいます。
うまくいかないことを会社や同僚のせいにしてしまうので、自分の行動を変えることができず、どこへ行ってもうまくいかないのです。
このような人たちが見落としていることとは一体なんでしょうか。

因と縁の関係

仏教では、因と縁が結びついて初めて結果が現れると教えられています。
因とは、自分自身の行いのこと。縁とは、環境などのことを言われます。

米を例に考えてみます。
米を作るには、そもそもモミダネがなければできません。
ですから、モミダネは非常に大事なものです。
ところが、机の上にモミダネを置いていても、決して米はできません。
田んぼに植えて、水や肥料、日光などの環境が整って初めて米ができるのです。

結果が現れるには、因も縁も不可欠なものです。
しかし、私たちはついつい、縁にばかり目が行っているのではないでしょうか

仕事がうまくいかないのはなぜ?

仕事で言えば、職場の人間関係や社風、仕事内容などは縁にあたるでしょう。
ここが良くなれば、自分に表れる結果はもっとよくなるはずだと思います。
もちろん、環境を変えれば結果は変わりますから、職場を変えれば解決することもあると思います。
しかし、もし、別の職場に行ってもうまくいかないことが続くのなら、それは環境が問題ではなかったということです。

自分の結果を左右するのは、縁だけではありません。
むしろ縁よりも注目すべきは、自分自身の行いなのではないでしょうか。

仕事は大変なことの方が多いです。
そもそも、私たちには誰しも怠けたい、楽がしたいという睡眠欲がありますから、どうしたって仕事に行きたくないという心は出てくるのです。
それでも毎日仕事に行けているのは、お金が欲しいという財欲や怒られたくないという名誉欲が勝っているからかもしれません。
しかし、人生の多くの時間を費やすのなら、もっとやりがいを持って仕事に臨みたいものですよね。

働くことの意味とは?

ここで、冒頭の伊集院さんの言葉に戻ります。
「働く」の語源は「傍(はた)を楽にする」ということだと聞いたことがあります。
自分が働くことで、周りが楽になり、幸せになる。豊かになる。
そのようにできたら、自分自身もやりがいを持って楽しく働けるはずです。

自分さえ楽しく快適に仕事ができたらいい。
これは、我利我利(がりがり)と言われて、仏教では最も嫌われる心です。
自分中心に考えていては、周りは幸せになれませんし、結果的に自分自身も幸せにはなれません。

お客様や同僚たち、自分の家族や友達。
自分が働いている時、周りの人たちは幸せだろうか?
そういう視点に立って仕事をしてみると、文句ばかりだった心が、少し変わってくるかもしれません。
それはまた、仕事を楽しく、やりがいあるものにする近道でもあるのです。

もし、近くに仕事がうまくいかないと悩んでいる人があれば、「傍を楽にする」という言葉を紹介してみてはいかがでしょうか。

それでは、また(^^)/

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