スタッフブログ 暮らしの中で

出世を目指す人も出世したくない人も幸せに 仏教が説く本当の幸せとは?

 

2020/01/16

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。

日が暮れるのが早くなり、もうそろそろ冬になるのだなと感じます。
北陸は冬になると雷がよく鳴るのですが、こちらに来たばかりの頃、地響きが起きるほどの雷には衝撃を受けました。

北陸では、11月半ばから12月にかけて猛烈な風が吹き荒れ雷が激しく鳴り響く日があり、このような天候のことを石川や富山では「鰤おこし」と呼ぶそうです。
この時期に日本海を回遊している寒鰤が、初冬の雷と合わせて獲れ始めることから、漁師が網を「起こす」というのと、寝ている鰤を「起こす」という意味をかけてこの呼び方になったと言われています。

富山県の氷見市は寒鰤が有名で、冬の風物詩として、毎年楽しみにしている人がたくさんあります。
これからの時期、こちらにお越しの際は是非チェックしてみてくださいね。

「出世」とは、成功の象徴

ところで、鰤は「出世魚」として知られています。
成長に伴って出世するように名称が変わる魚であることからこのように呼ばれるそうですが、「縁起のいい魚」として、祝宴の席などで出されることも多いのではないでしょうか。
仕事をしているからには少しでも出世したいと願う人が多いからでしょう。

「出世」と言えば一般的には「世に出る」ということで、社会的に有名になったり、会社の中で上の地位についたりすることを言われています
少しでも上の地位につけば、収入も多くなるし、世間的にも立派だと見られるようになります。平社員だった時よりも美味しいものを食べることもできるようになるでしょう。
そうすると、お金が1円でも多く欲しいと思う「財欲」や、褒められたい、よく見られたいと思う「名誉欲」も、美味しいものを食べたいという「食欲」も満たされます。

だからこそ、出世したいと願う人は多いのですが、出世できるのはほんの一握りの人材ですから、そのわずかな席を競いあっては、勝った負けたを繰り返しています。
昔から、「出世」というのは成功の象徴でした
ライバルが多ければ多いほど、そこを勝ち抜いて出世できたなら大きな喜びがあると思います。

出世したくないのはなぜ?

しかし、最近では「出世したくない」と言う若者が増えてきたようです。
出世して重要な役に就くと、それまで以上に責任が重くなります。
また、責任が重くなることで、必然的に仕事に拘束される時間が長くなるでしょう。
自由な時間が減り、仕事に関する悩みが多くなるかもしれません。

また、数少ないポストを争うということは、人間関係を損なうことにもつながります。
同期が昇進した時、笑顔を浮かべ、口では「おめでとう」と言っていても、心の中では面白くないという思いが出てくるのではないでしょうか。
それで人間関係がギスギスするということも、よく聞く話です。
平社員の時は一緒に仲良くやっていたのに、出世することでその関係が崩れてしまうなら、出世なんてしなくてもいいと考える人も多いのでしょうね

私たちは、幸せになれると思うからこそ、出世を求めます。
しかし、出世したからといって無条件に幸せになれるかというと、そういうわけでもないようですね。
出世して得られるものはたくさんありますが、同時にいろいろな悩みや苦しみもついてくるからです

出世をしても 出世をしなくても

このことを表された言葉がお釈迦さまの「有無同然(うむどうぜん)」です。
「有っても無くても同じく然り」と読み、物の有無にかかわらず、幸せになれていないことには変わりがないということです

もっと収入を増やし、社会的な地位を得れば幸せになれると思って出世を求めて頑張っても、いざ地位を得てみるといろいろと気苦労が絶えない。
では、出世せずに平社員でいれば幸せかというと、そういうわけでもないでしょう。
収入も増えないし、同期が出世しているのに自分だけ取り残されたら惨めな気持ちになってしまいます。
出世していても、出世していなくても、悩み苦しみは変わらない。まさに有無同然です。

仏教で教えられる「出世」

仏教では、「世に出る」出世よりも、「世を出る」出世を教えられています
「世を出る」とは、苦しみの世界を離れるということです。
仏教で教えられる本当の幸せになり、苦しみの世界を離れれば、世の中で言われる出世をしていても、していなくても、関係ありません

出世は、努力があってこそついてくるものですから、素晴らしい結果と言えますし、仕事を一生懸命することも大切なことです。
しかし、出世できないからといって幸せになれないということはないのです。
どんな立場であっても、幸せになれることを教えられているのが仏教ですから、教えを聞いて、本当の幸せについて知っていただければ、こんなに嬉しいことはありません。

それでは、また(^^)/

-スタッフブログ, 暮らしの中で

この記事を書いたスタッフ