スタッフブログ 暮らしの中で

一瞬で過ぎ去る儚い人生に意味はある? 儚いからこそ急ぐべきこと

 

2020/01/16

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。

東京大学の国際研究チームが太陽系外惑星を新たに発見したというニュースがありました。
宇宙の広大さは知識としてはなんとなく知っていますが、実際に惑星を発見したと聞くと、未知の世界が広がっていくようでワクワクします。

先日ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑教授は、小学生の頃に天体望遠鏡で土星の輪を見たことが科学への興味が芽生えたきっかけだったそうです。
あんな宇宙の果てに世界があることが不思議で、そこまで行って自分の目で確かめたい、天文学者になりたいと思われたのだとか。
徐々に解明されてきたとはいえ、まだまだ宇宙については知らないことばかりです。

宇宙から見た私の存在とは

私たちが夜に見ている星は、何万光年も離れたところにある恒星の光だそうですね。
1光年は光の速さで1年かかる距離ということですから、私たちが今見ているのは、何万年前の星の光だということになります。
宇宙は、時間の流れといい、距離といい、私たちの感覚をはるかに超えていますね。

藤村操という人が書いた「巌頭之感」に次のような一節があります。

「悠々たる哉天壤、遼々たる哉古今、五尺の小躯を以て此大をはからんとす」

「悠々たる哉天壤」とは、無限大の宇宙空間を表しています。
「遼々たる哉古今」とは、永遠の時間の流れを表しています。
空間的にも、時間的にも、壮大な宇宙から見れば人間はとても小さな存在です。
100年の人生と言っても、宇宙の歴史から比べれば、一瞬の出来事。
大河の中にできては消えていく泡のようなものなのかもしれません。

秀吉の成し遂げたこと

これまでの歴史の中で、数えきれないほどの人が生まれては亡くなっていったことと思いますが、その中で歴史に名を残す人もあります。
豊臣秀吉といえば、今なお有名な人物の一人です。
百姓の家に生まれながら天下統一を成し遂げた生涯は多くの作品で取り上げられ、現代でも知らない人はないのではないでしょうか。

金や財産はもちろん、地位や名誉にも恵まれ、妻子もあり、部下もいる。
あらゆるものを手に入れ、歴史に名を残す大事業を成し遂げた秀吉はさぞ満足していただろうと思いきや、人生の最期に残したのはこのような句でした。

露と落ち 露と消えにし 我が身かな 難波のことも 夢のまた夢

露といえば儚いものの代名詞です。
朝日であっという間に蒸発し消えてしまう露のように、自分の命もまた儚い。
人が羨むような人生を送ってきたことも、すべては夢の中で夢を見ているようなものだった。
天下統一を成し遂げた人物とは思えないほど、寂しさのにじみ出る言葉です。

夢のように過ぎ去っていく人生の意味

思えば、私たちの日々も儚いものなのかもしれません。
日々の中で一生懸命打ち込んだことも、心から喜んだことも確かにあったはずです。
しかし、今思い出してみると、夢のようにおぼろげでぼんやりしていて、もしかするとあれは夢だったのかもしれないという気さえしてきます。

私がいなくなったところで、世界は何も変わらないし、すぐに忘れ去られてゆく。
歴史に名を残した豊臣秀吉でさえ夢のようだったと言っているのに、自分がこれから何を成し遂げられるというのだろう?
私が存在する意味って一体なんだろう?

「巌頭之感」を記した藤村操は、自分の人生に意味を感じられず、華厳の滝に身を投げて人生を終えました。
当時藤村操は17歳。大変優秀で、そのまま行けばエリート街道を進んでいったであろう青年の死は、多くの人に衝撃を与えました。
そして、後を追って自ら命を絶っていった人も多くあったといいます。
それだけ、同じことを感じた人がいたということなのでしょう。

人生の意味は仏教に教えられている

自分の人生の意味とは何か。
誰もが実は分からないこの問題に、はっきりと答えを出されているのが仏教です。
お釈迦さまは、一人一人に果たすべき尊い使命があるから、一人一人の命にかけがえのない価値があると教えられています。
それは、一瞬で過ぎ去ってしまう儚い人生のうちでしか成し遂げられないことだから、一刻も早く達成しなさいよとすすめられました。

仏教は三世十方を貫く教えです。
三世とはいつでもということ、十方とはどこでもということですから、いつの時代でも、どこへ行っても共通することが教えられています。
これから先、宇宙の神秘が解明される時代が来ても、変わらず問題になるのが人生の意味とは何かということではないでしょうか。

人生の根本的な問題を解明された仏教を聞いて、人生の意味を知っていただきたく思います。
それでは、また(^^)

-スタッフブログ, 暮らしの中で

この記事を書いたスタッフ