アメリカが輝いていたわけ 企業のトップが実践する「風呂水の哲学」

2020/01/16
皆さん、こんにちは!
チューリップ企画スタッフのわかです。
注目されるアメリカの動向
新大統領のトランプ氏が就任して半月余りが経ちました。トランプ大統領の名前を聞かない日はないくらい、アメリカの動向には全世界が注目しています。
先日、新聞にアメリカの歴史をたどった興味深い記事が載っていました。
その記事では、過去にアメリカが保護主義(米国第一主義)を採用していたことを紹介し、その上で以下のように書いてありました。
「保護主義(米国第一主義)は、どこの国にも恵みをもたらさない。すべての国に経済的な打撃を与える。
これこそが、歴史の教訓である。その教訓に学び、自由貿易の旗手になったのが他ならぬ米国だ。
それが輝いた時代の米国であり、世界に愛された米国であった」
輝いていた時代のアメリカの理念
アメリカといえば世界の中でもトップに君臨する国という印象が強いですが、アメリカが最も輝いていたのは戦後まもなくの頃。このころのアメリカの経営者の理念は以下のようなものだったと言います。
「米国の大企業トップが日本の経営者に語った『経営の哲学』によれば、
企業はもはや戦前のように『株主の利益第一』ではなく、従業員、顧客、さらに社会全体に責任を負わなければならない。
今では信じられないが、最も輝いていた時代の米国の企業は、株主の利益を至上とする今日の『米国型企業』とはまったく異なる姿だったのだ」
過去のアメリカの企業はお金よりも人を大事にしていた、ということでしょうか。
企業のトップともなれば、やはり利益を第一に考えるように思いますが、そうではなかったのですね。
与えることだけ考える「風呂水の哲学」
「風呂に入って、熱いお湯を自分の方に寄せようとかき集めると、自分の脇をすり抜けて向こうへ行ってしまう。逆にお湯を前へ押し出すようにすれば、壁にぶつかってこちらに返ってくる」
と言ったのは、二宮金次郎の像で有名な二宮尊徳さんでした。
彼は、政治や経済、社会学に精通した「経世家」として、借金で困窮した村々をたくさん再建したことで有名です。
上記の考え方は、名付けて「風呂水の哲学」と呼ばれています。
お金に困った人は、ともすれば、自分のところにお金をかき集めようとしてしまいがちです。
お金がないのだからそうなってしまうのは仕方のないことなのですが、それではよりお金が逃げて行ってしまう。
お金や物に恵まれている人ほど、実は自ら進んで人にお金や物を与えているのだそうです。
人に「与える」ことで、それがまわりまわって自分にすべて返ってくる。だから恵まれるのですね。
これが「風呂水の哲学」です。
与えること=「布施」
仏教では、いろいろなよい行いを教えられていますが、その中の一つが「布施」です。「布施」と聞くと、お坊さんにお金を渡すことだと思われていますが、
「布施(ふせ)」というのは、「普施(ふせ)」ともいわれ、普く施す、差別なく与えることで、現代の言葉でいうと「親切」という意味です。
お金や物を与えるだけでなく、人にやさしくすることも「布施」であり、よい行いであると仏教では教えられています。
自分の利益は考えず、まず人に与えること。
与えることだけ考えて行動していったら、いつの間にか自分が恵まれるのだと言われます。
しかし、そうは言っても、与えたら自分の手元にあるものは減ってしまいます。
「恵まれるって本当かなあ?」と思いますが、それは一時的なことで、必ず自分に返ってくる。
それは、実際にやってみた人がよくわかることなのだと思います(^^ゞ
愛されるアメリカの条件
本当に愛され、幸せになれる人は、どんな人か。それは、「利他」に心がける人である、とお釈迦さまは言われています。
このブログでもたびたび取り上げていますが、「利他」とは「他人を幸せにすること」です。
人に幸せを与えることで、その幸せが自分に必ず返ってきます。
記事を読んでいると、全盛期のアメリカには、この「利他」の姿勢があったようです。
だからこそ、経済的にも恵まれ、世界中からリーダーだと仰がれていたのでしょう。
いつの時代も、愛される人は、皆が幸せになるように動くことのできる人でした。
二宮金次郎像が全国各地にあるのも、二宮尊徳さんが多くの人のために尽力し、尊敬されていたからかもしれません。
リーダーとして大切なこと
「下がるほど 人の見上げる 藤の花」
藤の花がつたを巻きつけて藤棚から下がっている。
そうやって上から下がっている藤の花がきれいだから皆見事なものだと見上げます。
人も同じで、腰が低く、決して驕らない、そういう人ほど周りから尊敬され、仰ぎ見られるようです。
実際、すごい役職に就いているのに、誰に対しても丁寧に接している人を見ると、すごい人だなあと感じます。
日本では、京セラやKDDIの創業者であり、日本航空の名誉会長である稲森和夫さんなど、
大企業のトップを務める人ほど「利他」の考え方を取り入れていると聞きます。
そして、実際大きな成功を遂げているのですね。
日本の中にも、世界にも、リーダーと言われる人はたくさんあれど、アメリカは、今までずっと世界のリーダーと言われていました。
世界の国々がアメリカに一目置いていたのは、軍事力や経済力が優れていたというだけではなく、その国自体に魅力があったからだと思います。
仰ぎ見られる人はやはり普段からの心がけが違うのだなと知らされます。
「風呂水の哲学」、ぜひ実践していきたいですね!
それでは、また(^^)/
この記事を書いたスタッフ

チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!