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はじまりは1人の感動から 「君の名は。」ヒットの理由

 

2020/01/16

いつもお読みいただきありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。

「君の名は。」ヒットの立役者

私がブログで「君の名は。」についての記事を書いたのは11月の終わりでしたが、そのころすでに公開から4か月を経過していました

そろそろ人気も落ち着いてくるだろうなと思って急いで見に行ったのに、気づくと年も明け1か月が過ぎています。

そこに飛び込んできたのは、ここにきて「君の名は。」が1位に返り咲いたとのニュース。

未だ根強い人気を見せるこの作品が、ここまでヒットしたのはなぜなのか。

その裏には一人の宣伝プロデューサーの存在があったのだそうです。

その宣伝プロデューサーは30代の女性、弭間友子(はずまともこ)さん。

これまでもハリーポッターなどの人気作品の宣伝を手掛け、ヒットを演出してきました。

今回「君の名は。」の宣伝プロデューサーを担当するにあたって、弭間さんは作品の企画段階から参加しました。

監督と衝突しても…

監督の新海誠さんは、自分が手掛けた作品については自らがプロモーション映像を作成していました。芸術性にこだわった、落ち着いた雰囲気の映像だったと言います。

しかし、弭間さんはそういった監督のこだわりとは違うアップテンポな映像を作り、それをプロモーション映像として打ち出しました。

監督は最初、弭間さんが作った映像を「ガチャガチャしていて美しくない」と評価し、プロモーションビデオにすることに反対していましたが、

弭間さんは「私の作った映像の方が絶対いい」と、そのまま自分の映像を採用したのです。

疾走感がありポップな映像は、主題歌「前前前世」とも相まって、公開前から大変な話題となりました

私もCMで見てすごく印象に残りました。プロモーション映像だけでも何度も見たくなるくらい、魅力的なものだったように思います。

また、映画のポスターは夏の公開ということもあり、抜けるような青空を背景に入れたところ、爽やかな印象が目を引き、印象よく映ったのではないでしょうか。

今までの新海誠作品とは異なる宣伝の仕方をしたことで、多くの層を取り込み、ここまでの反響につながっていったのだそうです。

作品が好きだからこそ

「君の名は。」はSNSを通して口コミで広がっていったことが盛んに取り上げられていましたが、それは作品自体の素晴らしさはもちろんのこと、映像や音楽の素晴らしさが前面に打ち出されていたからなのでしょうね。

宣伝プロデューサーとして大事なことについて、「やっぱりその作品のことが好きじゃなかったら宣伝はできない」と、弭間さんは語っていました。

宣伝の仕方など、新海監督とぶつかることもあったと言いますが、弭間さんと共に仕事をする中で、監督は心強く感じていたのだそうです。

「僕が勝手に思っているだけかもしれないけど、弭間さんは最初からずっと味方でいてくれたような気がする」

目には見えない心の種まき

仏教では、私たちの行いを「体」「口」「心」の3方向から見ます。これを「三業(さんごう)」と言われるそうです。

中でも重視されるのは心の行い、「意業(いごう)」です。

口で話をすることも、体を動かすことも、すべて心で思ったことが表れているからなのだそうです。

私たちの行いは、すべて心が元になってのことなのですね。

口や体の行いと違って、普段意識して心で何かを思うことはほとんどないと思います。

だから、心の「行い」と聞くとちょっと違和感があります。

ただ、目には見えなくても、心で思ったことが外に影響を与えるということも実際にあるのではないでしょうか。

言葉にしなくても伝わる思い

弭間さんが監督と意見を衝突させながらも宣伝に取り組んでいったのは、弭間さん自身が「君の名は。」という作品の一番のファンであり、作品を多くの人に見てもらいたいという気持ちが誰よりも強かったからこそ

自分が良いと思ったなら、やっぱり人に伝えたくなるものです。

その作品に対する感動は、弭間さんからどんどんと伝わって、今や日本にとどまらず世界に広がっています。

あえて言葉にしなくても、「君の名は。」に対する弭間さんの真摯な思いは確実に監督に伝わっていました

だから、自分の意向とは違っていても、最終的には弭間さんを信頼し、宣伝の仕方を委ねたのではないでしょうか。

監督は、「次回また作品を作るなら『君の名は。』以上のものをやりたい。そして、その時には弭間さんに企画段階から携わってもらいたい」と語っていました。

人の心はわからないとは言いつつも、その人が心から伝えたいと思っていることは自然とにじみ出るものです。

「君の名は。」を世界中にとどろかせたのは、1人の女性の情熱でした。

いつの時代も、人を動かすのは「」なのかもしれません。

それでは、また(^^)/

良いものを生み出す人はこんな心がけも持っているようです。

未来に向かう精進の心がけ 「次の作品が最高傑作」に込められた向上心

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