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ライバルってどんな存在? 恩を知って感謝し合える素敵な関係を

 

2020/01/16

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。

小平選手と李選手の素敵な友情

平昌オリンピックは大変盛り上がりましたね。
フィギュアスケートの羽生選手と宇野選手の金銀ダブル表彰台も話題になりましたが、もう1人の金メダリスト、小平奈緒選手の活躍も素晴らしかったですね。

現地でも話題になっていたのは、小平選手と地元韓国の李相花(イ・サンファ)選手との友情です。
長年、ライバルとしてしのぎを削ってきた2人は、同時に親友でもありました。
世界記録保持者であり、オリンピック2連覇中だった李選手ですが、今大会では、小平選手が金メダルで李選手が銀メダル。
小平選手は、銀メダルに終わって泣きじゃくる李選手に「よくやった」と優しく声をかけたそうです。
李選手はそれに対し、小平選手を称えたといいます。

優勝後の会見で李選手について質問された小平選手は、次のように答えています。

「彼女は本当に、ワールドカップの時から仲良くしてもらって、スケートに対する思いは素晴らしいものを持っていて、学ばせてもらいました

私がだめで彼女が優勝したときに、私は滑走後のクーリングダウンで泣いていて、彼女は一緒に泣いてくれたので、

私も気持ちに寄り添いたいなと思いましたし、彼女のお陰で次のステップに進めることがあったので、彼女との友情は深まってきたのかなと思います

敗れた後、勝者を称えることも難しければ、勝利の後で敗者に気を遣うこともまた難しいことです。
普通、負けた直後は悔しい思いが強く、素直に相手を称えることができません。
試合で勝ったら、嬉しさで舞い上がり、負けた人のことには思いが至らないものです。
しかし、小平選手と李選手はお互いに相手を尊敬し、それができているのが本当に素晴らしいと思います。

信頼していた先輩の真実

昨年、カヌーの日本選手権で優勝した選手がドーピング検査で陽性反応が出たために出場停止処分を受けたことがありました。
しかし今年になって、それはライバル選手によって仕組まれていたことが判明。当該選手の潔白が証明されたのです。

陽性反応が出てしまったとき、この選手が真っ先に相談に行ったのは、自分を陥れたライバル選手のところだったといいます。
信頼していた先輩が自分を蹴落とそうとしていた事実を、どう受け止めたのだろうと考えさせられます。

栄光を勝ち取れるのは、一握りの選手だけ。
少しでもライバルを減らした方が、自分が活躍できるチャンスが増えるはずだと考えたのでしょう。
恐ろしいものだなあと思いますが、数少ない席を争っては、他人を出し抜いたり、蹴落としたりして、幸せを得ようとしているのは誰しも同じなのかもしれません

ライバルとはどんな存在?

同じ席を争うライバルは、自分にとっては疎ましく、邪魔な存在です。
だから、失敗してくれたらいいのになあとか、いなくなってくれたらいいのにとか、相手の不幸を願い、足を引っ張ることばかり考えてしまうのです。
これを仏教ではねたみやそねみ、うらみの愚痴(ぐち)と言われています。

一方、小平選手はライバルの李選手について、「学ばせてもらった」「彼女のお陰で次のステップに進めた」と話しています。
小平選手にとっては、ライバルとは自分を向上させ、磨いてくれる恩人であることが言葉の端々から窺えます

恩を知り、感謝できるのが幸せな人

仏教では「恩」が大変重視されています。
恩を知るは大悲の本なり。〈乃至〉恩を知らざるものは畜生よりも甚だし」とも説かれ、恩を知り、恩を感じ、恩に報いるよう努めることがとても大事だと教えられているのです。

「恩」という字は、「原因を知る心」と書きます
「自分が今こういう結果を受けたのはどうしてだろう」と振り返る。
そうすると、普段は見えないところでも、たくさんの恩を受けていることが知らされてきます。
よくよく突き詰めていくと、実は恩のない人などいないのかもしれません。

ライバルという存在も、自分がより向上するために必要な人なのだと思えば、恩を感じ、感謝する気持ちが起きてくるのではないでしょうか
そうしてお互いを尊敬し、切磋琢磨してきたからこそ、観衆を沸かせるような白熱した試合にもなるのでしょう。
恩を知り、感謝できる人は、とても幸せな人なのだと分かりますね。

一つしかない席を争うライバル。
それが「邪魔な存在」となるか、「自分を向上させてくれる恩人」となるかは、自らの心がけ次第です
足の引っ張り合いをするよりも、「いてくれてありがとう」と感謝できる関係を築いていきたいですね。

それでは、また(^^)/

恩についてはこちらの記事でもお読みいただけます。

感謝の言葉はどこから出てくる? 『この世界の片隅に』が描く「恩」の精神

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