蓮如上人の「白骨の章」から知る人生の儚さと本当の幸せ
2020/01/16
皆さん、こんにちは!
チューリップ企画コールスタッフのわかです。
先日、大学時代からお世話になっている先輩夫婦に子どもが生まれ、写真を見せてもらいました。とても可愛い女の子でした(^^♪
この子が将来どのように成長していくのか、私もとても楽しみです。
大切な人との突然の別れ 悲しみの大きさ
そういえば、最近、交通事故や火事など、小さな子どもが亡くなる痛ましい事件が多発していますね。見聞きしている私たちでさえ可哀想だなと思うのに、ご両親や身近な人にとっては、予想もしない突然の別れです。その悲しみは想像もつきません。
朝見送った時には、これが今生の別れだとは誰も思っていなかったでしょう。
チューリップ企画にはいろいろな方からのお電話がありますが、大切な人との突然の別れにショックを受けたと語られる方も少なくありません。
息子さんや娘さんを若くして亡くされた方は特に驚きが大きいように感じます。
ある北海道の購読者の方と電話でお話しした時のことです。
その方は次のようなきっかけで『とどろき』を読み始めたのだそうです。
もう何十年も前ですが、叔母が熱心に仏法を求めていて、よく勧められました。
叔母が亡くなってからは、いとこからも誘われました。新聞に入っていたチラシを見て、懐かしいと思ったのがきっかけです。
子供たちにも読んで欲しいと思って、家に来るときに、目に付くようなところに置いていますが、なかなか読んでくれません。
娘は、お仏壇には手を合わせていますよ。
親族の方が熱心に求めておられたのですね。そのころの記憶が残っていて、『とどろき』を読まれるようになったとのこと。
ご自身が身近な方からの勧めで仏教を知ったということで、自分の子どもたちにも知ってほしいと思われたのだそうです。
そして、別の時にお話しした際にはこのように話してくださいました。
東京に住んでいた娘が病気をしまして、手術をして一旦はよくなったのに再発して1カ月半で亡くなったんです。あっという間でした。
悲しみも癒えないうちに今度は台風が来て大変な思いをしました。
いろいろと悪いことが重なってきたんですが、その間、『とどろき』だけがずっと心の支えでした。
ショックなことが続いた時も、『とどろき』をずっと読んでくださっていたそうです。
元気になると思っていた娘さんが病気で帰らぬ人となってしまったこと、大変な悲しみだと思います。
人生の儚さがつづられた蓮如上人「白骨の章」
仏教では「諸行無常」と言われ、「すべてのものは続かない」と教えられています。中でも最大の無常は「私たちの死」です。
浄土真宗を全国に弘められ、「中興の祖」と仰がれる蓮如上人は、たくさんのお手紙を書き残されました。
そのお手紙をまとめられたものが『御文章』と言われ、今日でも多くの方に読まれています。
蓮如上人はその中の一通、「白骨の章」といわれるお手紙で世の無常を表されました。
浄土真宗の葬式や法事では必ずと言っていいほど読まれているそうです。
私はこの読者の方のお話を聞いて、この「白骨の章」を思い出さずにはいられませんでした。
朝(あした)には紅顔(こうがん)ありて夕(ゆうべ)には白骨となれる身なり
また会えると思って送り出した人に、もう二度と会うことができない。悲しいけれど、そんな日が誰にも必ずやってくる。
そして、自分自身もやがてこの世を去らねばならない日が必ずくる…。
「白骨の章」には人生の儚さを感じさせる文章が切々とつづられています。
そして、蓮如上人はそんな儚い命を持つ私たちだからこそ、生きている時に真剣に仏法を求めなさいと仰っています。
娘さんとの別れという悲しい経験をされながらも、その方は最後に次のように語られていました。
『とどろき』はいつも欠かさず読ませてもらっています。
家族に勧めても、夫が少し読むくらいで、皆、読んでくれないんですが、私だけは元気な間はずっと読もうと思っています。
今までに頂いた本は箱に詰めて全部取ってあるんですよ。息子たちがいずれ読むんじゃないかと思って。
『とどろき』は大事に大事に読ませてもらっています。
「無常な世にあって、決して崩れない幸福になれることを教えられた仏教を、大切な家族に知ってほしい」。
その方の願いが、ひしひしと伝わってきました。
心で念ずることもまた種まき、きっといずれご家族にも想いが伝わることを念じています (*^_^*)
無常の姿から知る「本当の幸せ」
無常の命を持っていると知るからこそ、周りの人たちのことも大切に想うことができるのですね。世の中で起きている様々な悲しい別れは、いずれ訪れる私たちの姿かもしれません。私自身決して他人事ではないと感じています。
だからこそ、その事実をしっかり見つめ、本当の幸せについて考えていくことが大事なのだと知らされました。
こちらの記事では「この世界の片隅に」という映画を通して無常について考えています。
戦時中と現代が重なる映画 「この世界の片隅に」から知る「諸行無常」
すべての人に共通する姿を説かれた仏教を『とどろき』を通してお伝えすることで、皆様が大切な人たちとともに幸せな道を歩まれるお手伝いができれば嬉しいです。
それでは、また(^^)/ -スタッフブログ, 仏事
この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!