価値観の違いに気づくとやさしくなれる 「カルテット」と「唐揚げレモン問題」
2020/01/16
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。
ドラマ「カルテット」とは?
冬のドラマも次々と最終回を迎えています。今回は大きく話題になるようなドラマはなかったようですが、個人的に好きだったのは「カルテット」というドラマでした。
一部の層には大変人気があり、ネット上ではたびたび話題になっていた作品でもあります。
弦楽器の演奏者という共通点を持つ男女4人がひょんなことから出会い、意気投合して「カルテット ドーナツホール」という演奏チームを組み、軽井沢の別荘で共同生活を始めるというストーリーです。
終始不思議な雰囲気の漂うドラマで、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、劇中、別府、真紀、すずめ、家森の4人が繰り広げる会話が非常に面白く、魅力的でした。
「唐揚げにレモンかけますか?」
そんな物語の中で出てきたのが「唐揚げレモン問題」です。4人が共同生活を始めてまもなくの頃、食卓に唐揚げが並びました。
大皿に山盛りになった唐揚げに、別府とすずめがなんのためらいもなくレモンを回しかけると、料理を担当した家森が、「どうして小皿に取り分けなかったのか」と怒ります。
「レモンをかけてしまったら元には戻せないんだよ」と。
真紀が別府とすずめの2人に、「レモンをかけますか、と一言あった方がよかったのでは」と伝えると、別府は「レモンかけますか?」と一言言えばよかった、と反省します。
しかし、家森は、それもよくないと注意します。
「レモンかけますか?」と聞かれたら、かけるのが当たり前だという空気が生まれて、嫌だと言えなくなるというのです。
レモンをかけたいなら、小皿に取り分けてから各自で。
その結論に至るまでの過程が、シュールな会話劇で繰り広げられていました。
唐揚げから始まるすれ違い
楽しみにしていた唐揚げを前に、そんな面倒なことを言われるの嫌だなあ、と思いますが、人間性がよく表れているシーンだなと見ていました。「唐揚げにレモンをかけるかどうか」という些細なことであっても、4者4様の考え方が表れてくるのですね。
たかが唐揚げ。されど、唐揚げ。
些細なことから人間関係を損ねている人は、世の中にたくさんいるのではないでしょうか。
実際、登場人物の1人である真紀は、夫がレモンをかけない派だと気づかず、唐揚げにレモンをかけ続けてしまったがために、知らず知らずのうちにすれ違っていくのです。
自分が作り出す「価値観」という色メガネ
私たちは1人1人が作り上げた世界「業界(ごうかい)」に住んでいると、仏教では教えられています。「業(ごう)」とは、私たちの行いのことです。
今までの経験や周りの環境、自分の行いによって作り上げてきた価値観という色メガネを通して、世界を見ているのが私たち。
当然、行いは人それぞれ違うので、色メガネも一人一人異なります。
同じものを見ていても、10人いれば10通りの見方があるということです。
だから、自分が大したことないと思っていることも、相手にとってはすごく重要なことだった、というすれ違いはよく起こります。
自分にとっては当たり前のことでも、他の人にとってはそうではないことがほとんど。
だからこそ、お互いの歩み寄りはとても大事なのですが、「これくらいわかっているだろう」と、ついつい伝えることをおろそかにしてしまいます。
私たちの間にはミゾがある
見えている世界は1人1人違っていても、私たちは1人で生きているわけではありません。時には協力して仕事に取り組まねばならないこともあるし、皆で食卓を囲むこともあります。
そういう時、「自分はこうしたいから」と、相手の都合も考えずに行動してしまったら、心の距離は離れていくばかりです。
元々人と人の間にはミゾがあるものです。
私たちは、自分本位の行動ひとつでそのミゾをより広げてしまうこともできるし、相手への思いやりによってそのミゾを狭めることもできます。
狭めるためには、まずミゾがあるのを知ること。そして、お互いにミゾを埋める努力をすることが大事だと言われます。
そのたった一言がお互いの架け橋になる
わかりあえるという前提に立ってしまうと、「なぜわかってくれないの」と、不満ばかりがつのるでしょう。しかし、そもそもわかりあえないと知っていれば、腹が立つこともありません。
むしろ、わからないからこそ、お互いを理解しようという努力が生まれます。
その努力こそ、人間関係を潤滑にするために欠かせないものなのです。
「唐揚げレモン問題」は、私たちがついついおろそかにしがちな、相手を理解することの大切さを思い出させてくれます。
「唐揚げにレモンをかけますか?」という一言をかける思いやり、また、それ以前に「自分はレモンをかけたくないのです」と伝え、小皿を用意しておくという気配りが、お互いの世界の架け橋となるはず。
「親しき仲にも礼儀あり」。
いつでも相手への気遣いを忘れないようにしたいですね。
それでは、また(^^)/
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この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!