幸せだなあと思うのはどんなとき? 手錠から知る幸せの形
2020/01/16
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。
食材や調味料がある有難さ
一流の料理人が、外国で食料や調味料を現地調達し、日本ならではの料理を現地の人に振る舞うというテレビ番組がありました。日本食を作る上で欠かせないだしを、昆布の代わりにトマトを使って作ったり、サトウキビと塩と肉を使って醤油を作ったりと、知恵と工夫を凝らして料理を作り上げていました。
自分だったら、そんな状況で一体何が作れるだろうと考えると、さすがプロは違いますね。
他の国を見ていると、食材を自分でとってくるところから始まり、毎回自分で火をおこして調理をしている人たちがいます。
1回ごとに大変な時間をかけて食事を作るのですね。
だしや醤油、塩や砂糖など、私たちは普段、すでに製品化されたものを使っていますから、それさえあれば料理が簡単に作れます。
食材もスーパーに行けばたくさん揃っていて、スイッチを入れれば加熱も簡単。
当たり前のことだと思っていましたが、全然、そんなことないんですね。
比べて初めてわかること
他にも、日本では、携帯もパソコンも、1人1台持っているのが当たり前です。それどころか、車でさえ1人1台持っている地域もあります。
私たちにとっては何も特別なことはない景色でも、世界から見るとそんな国は少数派で、多くの国で、食べることさえままならない暮らしをしている人たちがいます。
それを思うと、自分が暮らしているこの日本が、いかに豊かで恵まれているかが分かりますよね。
この世界では、そうやって比べてみて初めて分かることばかりです。
早いとか遅いとか、重いとか軽いとか、長い短い、多い少ない、高い安いなど、常に比較しながら物事を判断しているのが私たちです。
健康診断を受診して、問題なし、とか、もっと健康に気を遣いましょうと言われるのも、基準値と比べて、コレステロールが高いとか、血糖値が高いとか、判断しての結果です。
ガソリンが高い安いというのも、いろいろなお店を比較するからです。
比較して、あの店よりもここは安いとか、そこの店よりも高いなあとか、言っているわけですね。
しかし、比べる所によってその判断は変わってくるので、キリがないというのも事実です。
「幸」の字の由来知っていますか?
そして、幸福についても比較しなければ分からないのが実際です。他人や、過去の自分と比べて、今の自分は幸せだ、不幸だと判断しているのです。
「幸」という字は、象形文字で、昔の中国の手かせ(手錠)の形からできているという説があります。
「幸」と手錠とは全くつながらないもののように思いますが、実はここに幸せの本質を考えるヒントが隠されているのです。
中国で万里の長城が建設されていたころ。
その当時、建物を建てる時には、多くの人が人柱として生き埋めにされました。
人柱を立てることで、その建物はずっと守られていくと考えられていたのだそうです。
人柱となるのは、戦をして捕まった捕虜の人たち。
多くの人が生き埋めにされる一方で、手錠をはめられ、労働力として働かされる捕虜もいました。
手錠をはめられて、重労働を強いられるなんて普通は嫌です。
でも、この時捕虜たちはどう思ったでしょうか。
「生き埋めにされて殺されるのに比べたら、労働力として生かされる方がましだ」
だからこそ、手かせが幸せの字の由来となったのです。
本当に喜べる幸せってなんだろう?
このように、幸福も比較相対の世界です。日本は世界の中で見たらとても恵まれている国。
そのことを感じた時は、有難いな、幸せだな、と思っても、本当に幸せかと問われると、言葉を濁してしまうのは、上には上がいると思うからでしょう。
上を見れば自分よりも幸せそうな人はたくさんいて、喜べない。
自分よりも不幸な人を見れば、幸せを感じられるかもしれませんが、なんだか他人の不幸を願っているようで嫌な気持ちになります。
自分の心を見つめると、どうも心から幸せだとは言えないようです。
お金があるとかないとか、恵まれているとか恵まれていないとか、そんなことに関係なく、誰と比較することもなく「一人居て喜べる幸せ」があると仏教では教えられます。
そんな、「人間に生まれたのはこの為だったのか!」と、心から喜べる世界のあることを明示されたのがお釈迦さまであり、仏教ですので、どんな世界なのか、ぜひ学んでみていただければと思います。
それでは、また(^^)/ -スタッフブログ, 暮らしの中で
この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!