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街中ですれ違う人との違いとは? 身近な人と私を繋ぐ「多生の縁」

 

2020/01/16

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。

本日最終回を迎えるドラマ『義母と娘のブルース』が人気です
視聴率は右肩上がりで、先週の放送では、今期のドラマの中での最高視聴率を記録したそうです。

主人公、亜希子は仕事一筋の有能なキャリアウーマン。
妻を病気で亡くし、男手ひとつで小学生の娘を育てていた良一と出会い、仕事を辞めて結婚することとなります。
実は良一は重病を患い、余命宣告を受けていました。
自分が亡くなった後、独りになってしまう娘を案じて、子どもが欲しいと考えていた亜希子に契約結婚を提案したのでした。

2人の間にあった”小さな奇跡”

良一が亡くなった後、取り残された2人は、ぎこちないながらも心を通わせ、親子としての生活を送っていました。
娘が高校生となり、パートを始めることにした亜希子は近所のパン屋に目をつけます。

そのパン屋の店長である麦田は、いい加減で飽きっぽい性格。
親孝行をしなければと家業のパン屋に就職したはいいものの、父親や、店の職人たちと折り合いがつかなくなり、一人でパン屋を切り盛りし、経営困難な状態でした。
そこへ、元キャリアウーマンである亜希子のサポートが入り、紆余曲折ありながらもお店は大繁盛するようになったのです。

ある時、居酒屋で話していた店長と亜希子。
そこで、飽きっぽい性格のため、店長が今までいろいろな職業を転々としていたことを知ります。
ある時は、運送会社、ある時は花屋、ある時は葬儀会社の運転手、そしてパン屋の店長。
そして話をする中で、間接的、あるいは直接的に店長と亜希子は何度も関わっていたことが分かります。

それを受けて亜希子は次のように店長に言いました。

「もしかしたら私は、(居酒屋の隣の席の)あの方から物を買ったかもしれない、あの方とは郵便局でペンを譲りあったかもしれない。
そんなふうに私たちは知らないうちに知り合っているものなんでしょうね。

でも実際それがお互いにわかるのって、何万分の一の確率なのかと。
つまり店長は、私にとって”小さな奇跡”ということです」

袖触れ合ったのはなぜ?

仏教から出た言葉に「袖触れ合うも多生の縁」があります。
昔は皆着物を着ていましたので、袖となっていますが、現代でも同じことがあります。
街中で、名前も知らない誰かとすれ違った時、カバンがぶつかったり、肩がぶつかったりすることがあります。
名前も知らない人なので、少し謝るぐらいで、特に意識せずに行ってしまいます。そのまま顔も忘れてしまうでしょう。

しかし、広い街の中で、カバンや肩がぶつかるほど近づいたということは一つの結果です。そこには、必ず原因があるのですよと教えられるのが仏教なのです。
それを表されたのが「多生の縁」という言葉です。

仏教では、私たちの生命の流れは過去からずーっと続いていて、生き死にを繰り返してきていると説かれています。これを「多生」と言われます。
過去、多生の間に何度も縁があったということがあればこそ、袖が触れ合うほど近づくことがあったのですよ、と言われているのが「袖触れ合うも多生の縁」です。

身近な人と私を繋ぐもの

私たちは、毎日街中でたくさんの人とすれ違います。
ほとんどの人とは、ただすれ違うだけで二度と会うこともなく終わっていきます。
でも、そのたくさんの人の中に、もしかしたら気づかない間に何度もすれ違っている人がいるのかもしれませんね。

そういう人もある意味では私と縁のある人なのでしょう。
いずれ何かの拍子に知り合いになることもあるかもしれません。
ただ、世界70億の人の中でも、今まさに家族、友人、同僚などの関係にある人たちは、やはり自分にとって特別の中の特別縁のある人なのだと思います。

毎日顔を合わせていると新鮮味もなく、会えることが「当たり前」になります。
当たり前だと感じると、特別には思えず、ついつい接し方がぞんざいになってしまうのではないでしょうか。
それが元で、人間関係が崩れてしまい、苦労している人も多いかもしれません。

ところが、「袖触れ合うも多生の縁」の意味からすれば、今家族や友人になっているということは、過去によほどの深い縁がなければ、そのような結果は現れないということです。

世の中にはたくさんの人がいるのに、なぜ私はこの家に生まれたんだろう?
なぜ私はこの人と一緒にいるのだろう?

普段そういったことを考えることはないかもしれません。
しかし、改めて考えてみると、街の中に歩いている人たちと今目の前にいる人との間には何か違いがあるはずです。
その違いこそ、「袖触れ合うも多生の縁」に表れていることなのです。

私とこの人は「多生の縁」で繋がっている。
それを知ると、近くにいる人の「特別さ」が感じられて、今までよりも大切にできるのではないでしょうか。

それでは、また(^^)

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