人生に孤独でない死はない 寂しさを感じることは明るい未来への第一歩
2020/01/16
いつチューリップ企画スタッフのわかです。
孤独でない死はない
現在放送中のドラマ「家売るオンナの逆襲」は、不動産会社に勤める三軒家万智(さんげんやまち)が、クセのあるお客さん相手に様々な手法で家を売っていくドラマです。先日放送された内容では、ある年配の女性相手に家を売るまでが描かれていました。
その年配の女性は、もともと住んでいたアパートが取り壊されることになり、借りられる家を探していたのですが、「孤独死されたら困る」となかなか貸してもらえません。
賃貸が無理なら家を買おうと思い立ち、万智の勤める不動産屋にやってきますが、勧める家はことごとくキャンセルし、のらりくらりと購入を先延ばしにするのです。
実は女性は、アパートが取り壊されてからずっとネットカフェで寝起きをしていたのでした。
家を買っても独りで住んでいたら孤独死しなければならない。
けれど、ネットカフェならいつも人がいる。店の人も気にかけてくれる。
だったらネットカフェにいた方がずっといい。
そのように話す彼女に、万智は言います。
「人の死に孤独でない死はありません。
人は一人で死ぬのです」
また、別の回で万智は孤独についてこのように語っています。
「全ての人の人生は、孤独で残酷です。一人で生まれ一人で死ぬ。
でも、一人で生きて行けないのもまた人生です」
誰かといると余計に寂しい
私たちは孤独を嫌います。一人ぼっちで生きていくのは辛いからです。
だからこそ、家族や友達を求め、自分を理解してくれる人を探しているのでしょう。
少しでも分かり合える人がいたら嬉しく、大きな幸せを感じるのです。
ところが、孤独を嫌って誰かと一緒にいても、それが余計に孤独を感じさせることもあります。
哲学者の三木清は次のように言っています。
「孤独は山になく、街にある。
一人の人間にあるのでなく、大勢の人間の『 間 』にあるのである。」
人と人の間には「どこまで行っても分かり合えない」という孤独があります。
この人となら分かり合えると思っても、実際に分かり合えるのはほんの一部分で、完全には理解し合えないのが人間なのではないでしょうか。
どんなに親しい間柄であっても、誰にも言えない秘密を誰もが心の中に持っているからです。
最初から一人なら孤独を感じるのは当たり前と思えるかもしれません。
孤独を解消するために求めた相手なのに、肝心なところで分かり合えないと分かった時、余計に寂しさは募るのではないでしょうか。
仏教に説かれる人生の孤独
お釈迦さまは人生の孤独を次のように言われています。「独生独死 独去独来(どくしょうどくし どっこどくらい)」
独りで生まれ、独りで死んでいく。
来る時も独りなら、去る時もまた独り。
家族、友人、恋人、同僚。
肉体の連れは多くあっても、魂の連れは一人もない、と言われています。
また、蓮如上人はこのようにも言われています。
「まことに死せんときは、予てたのみおきつる妻子も財宝も我が身には一つも相添うことあるべからず。
されば死出の山路のすえ、三塗の大河をば、ただ一人こそ行きなんずれ」
いよいよ死んでいかなければならないとなったならば、それまで頼りにしていた妻子も金も財産も、何一つあてにはならない。
たった一人で旅立っていかなければならない。
まさにたった一人でこの世を去っていかなければならない実態を鮮明にされています。
今まで心をかけて大切にしてきたものとの別れほど、辛いものはありません。
しかし、その大変辛い別れが、私たちの未来には待ち受けています。
人生の孤独は、誰しも抱えているものなのです。
人生の寂しさを感じることの意味とは
孤独を感じるのは嫌だと誰もが思います。ところが、仏教では、そのいかんともしがたい人生の寂しさを感じることが、人生を意味あるものにすると言われています。
仏教には、生まれてきてよかったと心から喜べる幸せが教えられているからです。
必ず待ち受ける未来を見つめたならば、このままで良いのかという疑問がわきあがります。
もし疑問を持たなければ、解決策を求めようという気にはなりません。
それではいざその時が来た時に後悔することになってしまいます。
今人生の寂しさを感じ、このままで良いのだろうかと感じて仏教を学び始めた人は、チャンスを得た人だと言えるのではないでしょうか。
人生をありのままに見つめて、明るい未来へ進みたいですね。
それでは、また(^^) -スタッフブログ, メディア
この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!