失敗から最高のサービスを生む「ザ・リッツ・カールトン」の経営方法と「反省」
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2020/01/16
こんにちは!チューリップ企画スタッフのみやこです。
「失敗は成功の元」と言われます。失敗を成功へと転換させるにはあるステップを踏まねばなりません。それが「反省」です。
今回は一流ホテルの経営方法を通して反省の大切さを見ていきます。
一流ホテル「ザ・リッツ・カールトン」
ザ・リッツ・カールトン(以下リッツ・カールトン)は100年の歴史を持ち、世界中でミシュランの5つ星ホテルに選ばれている一流ホテルです。大切にしている使命はお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することだそうです。創業者はホテル王と呼ばれたセザール・リッツ。彼の言葉に「顧客に求められたら決してノーと言ってはいけない。相手が月をほしがったとしてもだ」というものがあるそうですが、お客様の満足を最優先する信念は今でも受け継がれています。
期待を超える感動体験
リッツ・カールトンといえば顧客の期待を超えるサービスを提供することで有名です。元リッツ・カールトンホテル日本支社長の高野登さんがインタビューの中で次のエピソードを紹介していました。
ザ・リッツ・カールトン大阪で、こんなことがあった。ある東京の大学教授が講演旅行で来阪されホテルに宿泊した。チェックアウトを済ませ、新幹線に乗ってから気が付いたのだが、ホテルに眼鏡とその日の午後に東京の講演会で使う資料を忘れてしまったのだ。教授は慌てて新幹線の中からザ・リッツ・カールトン大阪に電話をした。
「眼鏡と資料を忘れてしまった。今日の夕方に東京で使う資料なんだ!」
電話を受けたスタッフは何と答えたか。事もなげに、こう言ったそうだ。
「はい、かしこまりました。それでは今すぐに新幹線で追いかけさせていただきます。東京駅でお渡しすることはできますでしょうか」
きっと、教授はその言葉に驚くとともに、ほっと胸をなで下ろしたことだろう。かくて、眼鏡と資料は大阪から飛んできたスタッフによって、東京駅で教授の手に渡ったのだった。
(引用:https://www.jhs.ac.jp/guide/toprunner/toprunner3891.php)
そんなリッツ・カールトンに対する顧客の期待は高く、ミスが無いのは当然であり、言葉にしない隠れたニーズにも応える姿勢が熱烈なファンを生み出す秘訣であり、そのために苦情や問題を恥と思わず、前向きにとらえて改善しているそうです。
失敗の合言葉はMR.BIV
一流ホテルのリッツ・カールトンは苦情や問題が起きた時の対処法を決めています。その取り組みがジョゼフ・ミケーリ著の『ゴールド・スタンダード』と言う本に紹介されていました。リッツ・カールトンでは“MR.BIV”と呼ぶ招かれざる客がいます。
MR.BIVとは――Mistake(過ち)、Rework(やり直し)、Breakdown(故障)、Inefficiency(非効率)、Variation(ばらつき)の頭文字のことです。
MR.BIVを発見すると、データベースに登録し、翌朝のラインナップで全従業員に知らされます。そこで、従業員は責務を超えて手伝えることはないか、同じ問題が再びそのお客様に起こらないように働きかけるのだそうです。
著者は失敗に対して次のように述べています。
「欠陥を恥と思わず、前向きに弱点を追跡し、サービスや商品の質に責任を持つように奨励することで、経営陣はプロセスを改良し、お客様の経験を回復するために活用できるデータを入手することができる。そうすれば従業員は、お客様が言葉にしたニーズも、言葉にしないその先のニーズも見つけることができるようになるだろう」
顧客の期待を超える感動体験は、失敗に徹底的に向き合い、克服することで生まれるのですね。
お釈迦さまも勧められる反省
お釈迦さまはたくさんの善を教えられ、それを6つにまとめられました。六波羅蜜とも六度万行とも言われます。(六度万行については、幸せを運ぶ6つの行い 信頼関係を築くために大事な心がけとはに解説しています)
その5番目に挙げられるのが「禅定(ぜんじょう)」です。今の言葉でいうと「反省」ということです。
『とどろき』購読者からこんなお便りが届きました。
『とどろき』を読んで反省
今まで知らなかった大事な教えを知り、日々の生活に取り入れて行けることの有り難さに感謝しながら生きていけるかなと思いました。
それなのに1歩2歩歩くと雑念だらけの私に身震いし、悪気を思い出し、情けない自分との闘いです。『とどろき』を読んでいる時が反省の時間です。
(岩手県 67歳・女性)
日々ご自身と向き合って生きておられる真摯さが伝わってくるようです。『とどろき』がそのお手伝いをさせて頂けているならば、大変嬉しいことです。
余談ですが、最近「3行日記」という健康法があること知りました。寝る前に次の3テーマを1行ずつ日記に書くことで自律神経が整うのだそうです。
(1)今日いちばん失敗したこと(もしくは、体調が悪かったこと、嫌だったこと)
(2)今日いちばん感動したこと(もしくは、うれしかったこと)
(3)明日の目標(もしくは、いまいちばん関心があること)
※順番はこの通りに書く
少し試してみましたが言動を反省し、悪かった点・良かった点を蓄積いくことで、次の経験に生かすことができる気がします(^^)
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
それでは、また次回ヾ(。・v・。)
この記事を書いたスタッフ
![みやこ](https://todoroki.tv/wp-content/uploads/2016/06/miyako-100x100.jpg)
チューリップ企画スタッフのみやこです。主に電話でのお客様サポートや『朗読版とどろき』の吹き込みを行っています。
信仰心の篤い浄土真宗の家に生まれたので、3歳の時にはすでにお仏壇の前で「正信偈」をあげており、小学1年生の時には諳(そら)んじるまでになり得意顔で親に披露していたものです。平成生まれにしては、ちょっと珍しい特技だったかも?(笑)
兄と弟に挟まれおてんばに遊んでいた私も、思春期になりある悩みが頭をもたげます。それは「私とは何者か?」「死が恐ろしい」…なかなかディープですよね。クラスメイトには悩みに共感してもらえなさそうで、周りより少しクールな中高生だったように思います。
その頃から「仏教に答えがあるのでは?」と仏教書を読んだりするように。なんやかんやあって、今では仏教月刊誌を出版する会社に就職!ブログでは「なんやかんや」で知らされた仏教の深さをお届けしたいと思います。よろしくお願いいたします。