叱られた時どう受け止めていますか? 厳しさの中にある本当の優しさ
2020/01/16
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。
先日ニュースで、入社式を終えた新入社員たちにインタビューをしていました。
「休みは比較的自由にとれるけれど、給料が安い会社」と「忙しくて休みは自由にとれないけれど、給料がいい会社」だったらどちらを選びますか、というテーマです。
そのニュースの中では、前者が多く選ばれていました。
理由としては、「給料は安くてもいいから休みをきちんととって、プライベートを充実させたい」という意見が中心でした。
ゆとり世代と言われる今の新社会人たちは、どうやら「仕事をバリバリ頑張ろう」という雰囲気ではなさそうです。
褒められることが基本で育ってきた人も多く、叱られることに慣れていないと、就職して面食らい、簡単に仕事を辞めてしまったりします。
そうなると、上司も叱りにくくて困ってしまいますよね。
「人を叱る時の4つの心得」とは
日本ラグビー界を代表するスター選手だった平尾誠二さんは、現役時代、大変なリーダーシップを発揮していたそうです。国内チームを相手にした試合で、自らがゲームキャプテンを務めた時には、かなりの勝率を誇っていたのだとか。
リーダーとしての心がけを著わした著書がいくつも出ているようですね。
一昨年53歳の若さで亡くなりましたが、平尾さんを偲ぶ会では、生前、親交のあった山中伸弥教授が弔辞を述べていました。
その時に語られていたのが、平尾さんが心がけていたという「人を叱るときの4つの心得」です。
①プレー(行動)は叱っても人格は責めない
②後で必ずフォローする
③他人と比較しない
④長時間叱らない
人を育てたり、指導する時、褒めるばかりではできないことがたくさんあります。
褒められたら舞い上がりますので、自分の足りないところを振り返ることができなくなってしまうのです。
自分の足りないところを自覚させ、成長してもらうためには、厳しく叱るということも大事なことなのですね。
相手を叱る時の配慮
ただ、叱られる側が素直に受け入れられるかといえば、それはまた別の話です。私たちには誰にでも、嫌われたくない、よく見られたいという名誉欲があります。
叱られるということは、その名誉欲が傷つけられることなので、嫌だと感じる人も多いのではないでしょうか。
厳しく言われるのは、自分を嫌っているからだと思い込んで、落ち込んでしまう人もいるかもしれません。
その点、平尾さんが挙げておられる4つの心得には、相手のことを思いやる温かさが感じられます。
叱られる側がきちんと受け止められるような叱り方をされていたのでしょうね。
それは、相手の成長を願っての気持ちからくる配慮なのだと思います。
叱っている人の心を見つめると
「憎くては たたかぬものぞ 笹の雪」という歌があります。笹に積もった雪をそのままにしておいたら雪の重さに耐えられず、笹は折れてしまいます。
笹が折れてしまわないように雪を落としているのであって、決して、憎くて叩いているのではないということをうたわれているのです。
厳しく言われるのは嫌だろうからと、間違ったことをしていても注意をしないでいたら、その人は後になって恥をかいたり、痛い目を見るかもしれません。
そんな嫌な思いはしてほしくないと、あえて厳しくしているのが「叱る」ということ。
厳しい言葉をかけられると、自分のことが憎くて言われているのではないかと思いがちですが、それは叱る人の心が分かっていないからだよ、と言われているのです。
厳しさの中にある本当の優しさ
仏教には、「慈悲」という言葉があります。「慈」とは、「苦しみを抜いてやりたい」という心、「悲」とは、「楽しみを与えてやりたい」という心のことです。
「慈悲」と聞けば、相手に優しく接することだと多くの人が思っていますが、優しさばかりが慈悲ではありません。
よく、寺の門の両脇に仁王像が立っています。
仁王像は、とても激しい形相をしていますが、これは仏の慈悲の一つの現れ。
衆生の迷いの心を叱り付けている姿を表されているのだそうです。
将来苦しむことのないよう、望む結果を得て幸せになれるように願って、厳しく叱ることもまた慈悲ということなのですね。
部下や後輩が間違ったことをしていても、それを注意せず、やりたい放題させておくのは、自分自身が悪く思われたくないからです。
それは、突き詰めれば本当の優しさとは言われないのでしょう。
嫌われたくない、よく見られたいという名誉欲は、当然叱る側の人にもあります。
叱れば、部下や後輩、子供から怖がられ、敬遠されてしまいます。
しかし、それでもあえて厳しく接するのは、本当に相手のことを思うからです。
そんな厳しさの中にある優しさを見落としている人は多いのかもしれません。
私自身、表面上だけで判断して、感謝できずに終わってしまった数々のことが思い出されます。
叱られて、落ち込んだり怒ったりして終わるのではなく、自分を振り返るきっかけにして向上していきたいものです。
それでは、また(^^)/ -スタッフブログ, 暮らしの中で
この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!