子供でも知っているけれど、大人でもできない? 約束を守る時に大事な考え方とは
2020/01/16
いつもお読みいただきありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。
人気コーナー「光に向かって」より
『とどろき』の「光に向かって」は、人気コーナーの1つです。4月号では、歴史家ナピールと少女のエピソードを通して、約束を守る大切さを紹介しています。
先日、そのエピソードを読まれた方から感想が届きました(^^)
約束を破らない覚悟に人格がついてくる
「光に向かって」を読んで、先約優先と申しますが、
ナピール先生のようにとんでもないチャンスが巡ってきたら
行きずりの少女との約束を破棄してしまうのが今までの私だと感じました。
どんなささいな約束もしたからには決して破らない。
その覚悟に人格がついてくるのだと気づきました。
(滋賀県・50代男性)
六度万行の一つは「約束を守ること」
お釈迦さまは、私たちに善い行いをすることを勧められたのですが、その教えられた善は膨大な数にのぼります。あまりにたくさんありすぎると選ぶのも一苦労。
そのため、お釈迦さまはたくさんある善を6つにまとめられました。
これを六度万行(ろくどまんぎょう)と言われます。
この六度万行の一つに挙げられるのが、「持戒(じかい)」です。
持戒とは、言行一致、約束を守ることを言われます。
約束を守ることは誰もが小さいころから教えられてきたこと。
だから、「そんなの今さら言われなくても分かってるよ」と思うのが正直なところです。
お釈迦さまが教えられた持戒は、仏教を全く知らない人でも善いことと知っているものです。
小さいころから教えられ、それをするのが当たり前だという意識が皆の中に根付いている、そういうものです。
では、なぜお釈迦さまは、そんな“当たり前のこと”を教えられたのでしょう?
それは、知っていてもなかなか実行できないからです。
3歳の子供でも知っているけれど…
昔、中国の儒学者である白楽天が、ある高僧に「仏教とはどういう教えか?」と質問をしたことがありました。その高僧は、“「悪をやめて善をおさめよ」と教えるのが仏教だ”と答えたそうです。
それに対し白楽天は、「そんなことなら3歳の子供でも知っている」と鼻で笑います。
高僧はその時、「3歳の子供でも知っているが、80歳の老人でも行うのは難しい」とすかさず答えたと言います。
確かに、小さいころから教えられていても、実際、そのように行動しているかというと、“できていないものだなあ”と思います。
善を教えられたということは、実行しなさい、ということです。
頭で分かっていても、行動に移せなければ本当に分かっているとはいえないと仏教では言われます。
「約束を守る」と一口に言っても、その程度は一人一人違います。
ついつい約束に大小をつけて、小さなものほど軽く見てしまってはいないでしょうか。
あるいは、馴染みのある人の約束ほど、おろそかにしてはいないでしょうか。
「あの人なら1分くらい遅れたって許してくれるだろう」
「あの人と先に約束していたけど、こちらの方が自分にとって大事だからしょうがない」
いろいろと理由をつけて、知らず知らずのうちに約束を破ってはいないでしょうか。
約束を守るという行動は相手への誠意から
約束を守るということは、信頼を築くのにとても大事なことです。もし、本当に相手のことを尊重していたら、簡単に約束を破ったりしないからです。
約束を守ることが、そのまま相手への誠意となり、相手からの信頼に繋がっていくのです。
信頼は、コツコツと種まきを積み重ねていってようやく築けるものですが、崩れる時は一瞬。
だからこそ、より慎重にならなければいけないと思います。
上記の滋賀県の読者の方は、「覚悟」という言葉を使われていました。
感想を拝見したときに、すごく重い言葉を使われるのだなと感じましたが、約束をするということは、本当はそれくらいの思いがあって当然なのかもしれません。
「どんな場合でも約束を守る」という思いを持っていない人がほとんどだからこそ、実際に心がけて実行している人は「人格者」と呼ばれるのでしょう。
当たり前のことを当たり前にできない人が多いから、お釈迦さまはその当たり前だと言われるような、「約束を守る」という行いを挙げられたのですね。
一度約束したのなら、その約束を果たす。
できない約束は初めからしない。
そして、約束を破ってしまった時には心から謝る。
それらは、相手への誠意から表れてくる行動だと分かります。
些細な約束でもおろそかにせず、必ず守るという意思を持って、周りの人との関係を良好にしていきたいですね(^^♪
それでは、また(^^)/ -おたよりから
この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!