スタッフブログ メディア

売名行為なら寄付はしない方がいい? 「よい行いとは何か」考える話

 

2020/01/16

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。

昨年、「好きなお笑い芸人ランキング」で1位の座に輝いた伊達さんと富澤さんのコンビ、サンドウィッチマン
昨年は、2人のコンビ結成20周年目の節目でもあり、最近ますますテレビでよく見るようになりましたね。

人を笑わせる才能が高く評価されているのはもちろん、その人柄の良さも有名です。
サインや写真撮影は決して断らず、海外に仕事に行けばマネージャーにお土産を買ってきたり、現場の新人スタッフにも優しく声をかける。
多くの人が好印象を持つのも頷けます。

義援金は「売名行為」?

先日、サンドウィッチマンの2人が東日本大震災で被災した子供たちへの寄付金を岩手県庁に贈呈した様子が報道されていました。
東日本大震災から8年。
2人は、震災を風化させることがないようにと今も毎年活動を続けているそうです。

2011年3月11日、サンドウィッチマンは宮城県気仙沼市にいました。
すぐに避難して命は助かったものの、大きな揺れと津波に飲み込まれていく街を目の前にして、大きな衝撃を受けたといいます。
自分たちにできることは何かを考え、すぐに義援金の設立に動き出したそうです。

ところが、その義援金の活動に対して「売名行為だ」と言う人もありました。
サンドウィッチマンは、自分たちも被災した当事者であり、被害をその肌で感じたのですから、義援金を設立したことにも理由があるでしょう。
8年間支援を続けている姿を見れば、自分たちの利益のためにしているわけではないことは、多くの人が感じているのではないかと思います。

芸能人が被災地に向けて何億円寄付した、とか、身寄りのない子供たちにランドセルを贈った、という報道があると、売名行為だという批判の声があがることがあります。
何か裏があるのでは、と思ってしまうのですね。
心を覗くことはできませんから、もしかすると、そのような気持ちで行っている人も中にはいるのかもしれません。

褒美欲しさにしたのもよいこと?

では、そんな気持ちでやるくらいならやらない方がよいのでしょうか?
こういった批判を聞く時、私には決まって思い出す話があります。

有名な水戸黄門光圀が、領内を巡視中のことである。
かねて、親孝行者に、ばくだいなごほうびをくださるという、老公のうわさをきいていた大の親不孝者。
ほうびをせしめるチャンスとばかり、平素、虐待し続けていた母親を背負って、さも孝行者らしく、老公の行列を拝していた。
ふと光圀公が、それをご覧になって、側近に命じた。
「あの者に、ほうびをとらせよ」

「なんと仰せられます。彼奴は人も知る、大の不孝者でございます。今日、あのように母親を背負って行列を拝しているのは、殿の御目をあざむき、ほうびほしさのためでございます」
世間周知の事実を申し上げても、ウンウンとうなずきながら老公は、こう諭したという。

ウソでも、偽りでもよいではないか。形だけでもよい。
そして今日一日だけでもよろしい。
一度でもああして、親を背負ってやることが大切なのだ。うんとほうびを与えよ
(『光に向かって100の花束』より)

この話に釈然としない思いを抱く人もあるのではないでしょうか。私自身もそうでした。
なぜ、光圀公は親不孝ばかりしている者に褒美を与えたのでしょう?

「よい行い」とは何か?

仏教では、よい行いをすればよい結果、悪い行いをすれば悪い結果、自分のやった行いは、すべて自分に結果が現れると教えられています。
仏教では、心で思うことも行いの1つに数えられますから、相手を思いやる心がけでいた方が良いのは当然のこと。
しかし、たとえ心がけは悪かったとしても、身体は他人に親切をしたのなら、それも一つのよい行いです。

まかぬタネは生えぬ。まいたタネは必ず生える、と教えられるのが仏教です。
親切をするのが大切だと知っていても、自分からはなかなか動けないもの。
それでは、結果が出ることはないでしょう。

被災地に寄付をしたり、他人に親切をした行いが、たとえ自分の利益のため、人気集めのためであったとしても、親切を受けた相手を喜ばせることに変わりはありません。
それは間違いなくよい行いです。
感謝されれば、結果的に自分も素直に嬉しくなるのではないでしょうか。

光圀公は、「褒美が欲しい」という欲を縁に、不孝者が親孝行をするように仕向けたということなのでしょう。
このような縁がなければ、不孝者はよいタネをまくことなく、日々を過ごしていたのではないでしょうか。

大々的に寄付や親切を行っている人を見ると、何か裏があるのではと勘繰ってしまうのは無理のないことかもしれません。
しかし、どんな心がけであったとしても、やっているのはよい行いです。
批判をするよりも、すごいなあ、自分も頑張りたいなあとよい行いに心がけることができたら素晴らしいことだと思います。

お互いに、よい行いに頑張っていきたいですね。
それでは、また(^^)

-スタッフブログ, メディア

この記事を書いたスタッフ