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戦時中と現代が重なる映画 「この世界の片隅に」から知る「諸行無常」

 
原爆ドーム

2017/05/26

皆さん、こんにちは!

チューリップ企画スタッフのわかです。

クラウドファンディングによる資金集めとは

先日、NHKの「クローズアップ現代+」で「この世界の片隅に」が特集されていました。

この作品、最初はクラウドファンディングという方法で資金を集めたそうですね。

クラウドファンディング(CrowdFunding)とは

群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、

クリエイターや起業家が製品・サービスの開発、もしくはアイデアの実現などの「ある目的」のために、

インターネットを通じて不特定多数の人から資金の出資や協力を募ること。

これで映画製作に必要な資金が集まったというのだから、いかに作品が魅力的だったかわかります。

番組では、映画を見た様々な世代の声を紹介していて、その中で多く聞かれたのは「戦争を取り上げた映画でありながら、現代を見ているような感じがした」という感想でした。

戦時中もあった「喜怒哀楽」の日常

作品では、戦時中に生きていた人たちの日常風景が描かれています。

戦時中」と聞くと、全く笑顔も楽しみもない日常をイメージしてしまいますが、決してそんなことはありません。

冗談を言ったり、笑ったり、ケンカしたり、泣いたり。現代となんら変わらない、喜怒哀楽のある日常だったのですね。

「戦争」という、あまりにも特異な状況があると、それだけでフィルターがかかってしまい、自分たちとはかけ離れた世界でのことと思ってしまいがちです。

しかし、作品に描かれている何気ない日々の中の一場面を見ていると、主人公すずをはじめとした登場人物たちの姿と自分の姿が重なり

「自分も普段こんなことを言ったり思ったりしているなあ」と感情移入しやすくなります。

終戦後と震災後 重なる人々の姿

「クローズアップ現代+」で紹介されていた感想の中で、「映画で見た終戦後と、震災後の姿が重なって見えた」と言っていた人もありました。

焼け野原となってしまった町と、津波ですべてが流されてしまった町。

大切なものを失って、立ちつくす人。

家族や友人を探して、街をさまよう人。

新たな希望を胸に、復興に立ち上がろうとする人。

「諸行無常」 変わり続ける日常

仏教では「諸行無常」と言われ、「すべてのものは続かない」と教えられています。

平家物語の冒頭に「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」という一節があるので、聞かれたことのある方も多いかもしれません。

どんなものも、ずっと同じ状態であり続けることは難しく、いつか必ず壊れてしまう時がきます。

私たちの目には毎日同じように映っている太陽も、日々少しずつ小さくなっていて、何十億年も経てば消えてなくなってしまうのだと聞いたことがあります。

日常は、毎日同じように見えて実は少しずつ変化し続けているということなのですね。

忍び寄る別れの足音

私たちにはたびたび大切なものとの別れがやってきます。

会うは別れのはじめなり」とも言われたりしますが、出会ったその時から、すでに別れのカウントダウンは始まっているのです。

戦時中の人々だけが、多くのものを失っているのではありません。

また、現代でも、災害などにあった人だけが、別れを経験しているのでもありません。

悲しい別れの足音は、知らないうちにそばにやってきて、あっという間に私たちから大切な人や物を奪っていきます。

それは何も特別なことではなく、誰もがそういうリスクを抱えて生きているのです。

「別れ」が教えてくれること

この世界の片隅に」を見て、戦争の時代と、現代が重なり、自らに訪れるかもしれない「別れ」に目が向いて、

「今ある何気ない日常が当たり前でないことが知らされた」と言う人も多かったようです。

「当たり前」でないということは「有難い」ということ

今手の中にある「恵まれた生活」が、当たり前でないと知らされるからこそ、周りの人や物をもっと大切にしていこうと思えます。

主人公すずを演じたのんさんは、作品に関わることで、「今まで気に留めてこなかった日常のいろいろなことに感謝できるようになった」と話していました。

続かないと知ればこそ

「諸行無常」は悲しい言葉ですが、その事実を知っているからこそ見えてくることはたくさんあります。

「いなくなって初めて自分にとって大事な人なのだとわかった」と、よく聞きますね。

そばにいる時に優しくしたり、感謝したりできないのは、いつまでもそばにいるだろうと思いこんでしまうからです。

「続かないもの」と知ればこそ、今自分のそばにあるうちに大事にしなければならないことがわかります。

1人1人がその大切なものに気づき、日常をかけがえのないものと受け止めることができる

私自身、映画を見て胸がいっぱいになったのは、そういうメッセージを感じたからなのかもしれません。

私たちの足元に常に潜んでいる「無常」という事実は、何かのきっかけがないとなかなか気づくことができないものです。

この映画はその一つのきっかけを、多くの人に与えたのではないかと思います。

作品の魅力にいち早く気づき、映画化に向けて動かれた多くの方のおかげで、私も「この世界の片隅に」という映画に出会うことができました。

頭の中も整理されてきたので、機会があればもう一度見てみたいものです(^^ゞ

それでは、また(^^)/

-メディア

この記事を書いたスタッフ
わか
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。 静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。 日常の様々な出来事を物語化することが好きです。 学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。 そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。 今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!