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正義のヒーローが正しいとは限らない 他人を傷つけないために大切な視点

 
桃太郎と鬼

2018/09/19

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

チューリップ企画スタッフのわかです。

今年の4月から、全国の小学校で「道徳」が正式な教科になったそうです。

どのように子供たちに道徳を教えていけばいいのか、先生たちの苦悩する様子が以前テレビで取り上げられていました。

「道徳」は一人一人の感じ方、価値観によるところが大きいので、計算問題のように答えがはっきり決まっているものではありません。

だからこそ、どのように教えていけばいいのか悩むところなのでしょう。

正義のヒーローはいつも正しいの?

そんな昨今、子どもたちに考える力をつけてもらおうと、ある本が発売されたというニュースを耳にしました。

『答えのない道徳の問題 どう解く?』(ポプラ社)という本です。

いくつかのテーマが用意されており、正義について考える項目の中に次のような問いかけがあるそうです。

どうして正義のヒーローは、悪者を殴っていいんだろう?

子どもたちは家庭や学校で「人を殴ってはいけない」と教えられています。

それなのに、いくら悪者といっても正義のヒーローは相手を殴っている。

殴っていい人と殴っちゃいけない人がいるのはどうしてなんだろう?

そのように疑問を持つ子がいてもおかしくはありません。

また、以前に「桃太郎」を鬼の視点から捉えた新聞広告が話題になったこともありました。

ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。

大きな紙面の中にぽつんと描かれた泣いている子鬼とともに書かれていたこのフレーズは、多くの人に衝撃を与えました。

「正義は必ず勝つ」というフレーズは、私たちの中に浸透しています。

それは自然なことのように皆が思っているのですが、別の視点、別の立場になってみると、「正義ってなんだろう?」と考えてしまいます。

紛糾する「正義論」

「正義」とは難しい言葉です。

私は大学時代、「法哲学」という分野を専攻していました。

あまり聞かない分野かもしれませんが、簡潔に言えば、「法律が実現すべき正義とは何か」を探求する学問です。

「正義論」にはいろいろあります。

自由こそ実現すべき正義だという人。

平等こそ実現すべきだという人。

社会全体が幸福であることが大切だという人。

個人の幸せを追求すべきだと考える人。

いろいろな人がいろいろな主張を繰り広げているので、いまだに答えが出ていない学問なのです。

正義とは変わりゆくもの

誰しも、その人なりの「正義」を持っているものです。

しかし、その「正義」は時代や場所、人によって形を変えていきます。

ですから、自分が正しいと信じていることでも、誰かにとっては正しくないことかもしれません。

私たちは、「自分が正しくて相手が間違っている」と思うと、相手を無条件に攻撃してしまうことがあります。

ところが、相手には相手の立場があり、信じている正義というものがあります。

正義のヒーローも、攻撃される立場の悪者にとっては極悪人に見えてくることでしょう。

正しさとは何か、善とは何か、確かな答えはどこにもないのかもしれません。

聖徳太子の人間観に学ぶ

「日本のお釈迦さま」とも称される聖徳太子は、十七条憲法の十条に次のように言われています。

我必ず聖に非ず。彼必ず愚かに非ず。共に是れ凡夫ならくのみ。

「私がいつも正しい訳ではない。相手がいつも間違っている訳でもない。私も相手も、ともに凡夫、誤った判断をする人間である」という意味です。

仏教では、人間は皆「煩悩具足の凡夫」と説かれています。

これは、「煩悩でできているのが人間だ」ということです。

「煩悩」とは、私たちを煩わせ、悩ませるもの。これに108あり、代表的なのが欲、怒り、ねたみ・そねみの3つの心です。

私たちはこれらの心にいつも振り回されています。

自分の欲を満たしてくれる人は善人、欲を満たすのを邪魔してくる相手は悪人と評価しますから、ある時はいい人、ある時は悪い人、と、評価はコロコロ変わります。

「正しい」と思っていることも、突き詰めると自分に都合のいいことをそのように判断しているのではないでしょうか

相手を傷つけないために大切な視点

だからこそ、聖徳太子は必ずしも自分が正しいわけではないし、相手が必ずしも間違っているわけではない、と言われているのでしょう。

「自分も相手も誤った判断をする煩悩具足の凡夫だ」と思えれば、間違っていると思う相手に対して、一方的な攻撃をするようなことはなくなるかもしれません。

どんな相手に対しても、まず主張や意見に耳を傾けることを忘れなければ、日々の衝突も少なくなってくるのではないでしょうか

「正義」で相手を傷つけることのないよう、相手の立場を考えるという視点を大切にしたいものです。

それでは、また(^^)/

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この記事を書いたスタッフ
わか
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。 静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。 日常の様々な出来事を物語化することが好きです。 学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。 そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。 今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!