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薬売りが商いを続けられた理由とは? 努力を続けるために覚えておきたい心がけ

 

2020/01/16

こんにちは!
チューリップ企画スタッフのわかです。

富山に住んでからというもの、反魂旦(はんごんたん)という和菓子をよく頂きます。

私はこのお菓子が好きなのですが、実在した「反魂丹」という薬がモデルとなっているそうですね。

この反魂丹から始まった富山の薬売りといえば有名で、富山から全国各地を旅してまわっていたことから、県外でもよく知っておられる方が多いようです。

薬売りの商いを始めたのはなぜ?

富山の薬の販売方法は「おきぐすり」。

薬の一式を各家庭に置いておき、使った分だけを後日訪問した際に集金するという「先用後利」の方式です

近場であればすぐに回収に行けますが、全国を回っている以上、すぐには代金を回収できません。そもそも、買ってもらえるという保障もありません。

しかも、交通費や宿泊費などの経費もかかりますので、利益が出るのはずいぶんと時間がかかったことでしょう。

そんな先行き真っ暗な中で商いをスタートするのは、とても勇気のいることだと思います。

彼らはどのような信念をもって全国を回っていたのでしょうか。

浄土真宗の教えを知ると…

薬売り達は、浄土真宗の信者が多かったといいます。

浄土真宗の祖師である親鸞聖人は、老若男女、出家在家、貴賤、美醜を問わず、すべての人を幸せにする教えが仏教であることを徹底された方です

厳しい修行に耐えられなければ幸せになれないのなら、それは一部の人だけのこと。

高いお金を払えなければ聞けないというのなら、それも一部の人に限られたことになってしまいます。

そうではなく、どんな人にも関係のあることが説かれているのが仏教ですから、その仏教を聞いて本当の幸せになるまでは、何があっても生き抜かなければいけないと教えられたのです。

浄土真宗の教えを聞いていた薬売り達は、庶民が何の手立てもなく、病気で苦しんで亡くなっていくことを見ていられなかったのでしょう。

一人一人の命を尊く、大事に思う気持ちが、「先用後利」のシステムとなって今日まで続いているのかもしれません

仏さま相手の努力

とはいえ、何日もかけて各地を訪問して回るわけですから、常に災害や盗賊などの身の危険とも隣りあわせだったということです。

そんな中、命を守るためとは言いつつも、他人を助けるために動いていたのはすごいことだなあと思います。

富山の薬売り達は、懐や行李の底に小さな仏像を納めて、全国を歩き回っていたのだそうです。

いつでも仏さまが見守っておられる、という心強さがあったからこそ、危険を顧みず、各地を回ることができたのかもしれませんね。

仏さまは見聞知(けんもんち)の方と言われます。

あなたがどんな行いをしているか、見ているよ。
あなたがどんなことを言っているか、聞いているよ。
あなたがどんなことを思っているか、知っているよ。

誰が見ていなくても、仏さまはすべてご存知だ、ということです。

私たちは多くの場合、他人から評価されたりほめられることを原動力にして、努力をしています。

だから、どれだけ頑張ってもほめられもせず、評価もされないと、やる気をなくしてしまうのです。

人知れず努力をしたり、他人のために行動するというのは、すごく難しいのですね。

しかし、人は見ていなくても、仏さまは見ておられるのだ、と思ったらどうでしょうか。

たとえ人は知らず、評価してくれなかったとしても、仏さまはちゃんと私のことを分かってくださっていると思えば、陰で努力する勇気もわいてくるかもしれません

薬売り達は、そうしてコツコツと商いを続けてきたのでしょう。

「情けは人のためならず」の実践

仏教の精神は「自利利他」。

人を幸せにするままが自分の幸せになる、ということです。

こちらの利益は後回しにして、病に苦しむ顧客をまず薬で助ける

そのような信念を持って続けてきたことが大きな信頼となって、今日まで脈々と受け継がれています。

まさに情けは人のためならず、ということですね。

努力したことは必ず実を結ぶと教えられていますので、人が見ていないところでも、コツコツとタネを蒔ける自分でありたいものです。

それでは、また(^^)/

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