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他人との比較で落ち込んでいませんか? 幸せのメカニズムと存在価値

 

2020/01/16

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。

今年の新語・流行語大賞の1つは「インスタ映え」であることが発表されていましたね。
「インスタ映え」とは、インスタグラムに写真を投稿した際、見栄えが良かったりして映えるという意味です。
instagram(インスタグラム)は、写真や動画を中心に投稿していくSNSアプリ。
全世界で若い世代に支持され、利用者を増やしています。

利用者は、自分で写真を投稿したり、また、他の人が投稿した写真を見たりして、交流を深めていくのですが、そのときに重視されるのが写真の見栄えの良さ。つまり、「インスタ映え」なのです。
写真の見栄えが良く、おしゃれだったり目を引くものであればあるほど、多くの人から支持されるようになるのです。

インスタグラムで話題になったお店は、人気に火が付き、メディアで取り上げられ、多くの人が訪れるようになりますので、宣伝効果も抜群。
一般の人も企業も関心度の高い「インスタ映え」ですから、流行語大賞に選ばれたのも分かる気がしますね。

「インスタ映え」の落とし穴

ところが、PGF生命が発表した「人生の満足度に関する調査2017」では、20代女性の4割が「SNSにおいて人生満足度が低下した」と答えているのだそうです。
これは、人からの評価を得るため、写真映えする“モノ”や“コト”を求めて頑張ることに、疲れてしまった人が増えていることを表しているのかもしれません。

また、イギリスでSNSが若者の心の健康に与える影響について調査が行われ、各SNSの中で、精神衛生上もっとも悪い影響が出ているのはインスタグラムだという結果が出たそうです。
心に与える不安感や孤独感、いじめ、外見への劣等感などの否定的な影響が最も出ていたというのです。

インスタグラムは視覚的な情報が大きな部分を占めています。
写真のセンスを問われる分野でもありますから、人と比べた時に差がはっきり出てしまうのでしょう。
支持されるような写真をあげられればいいですが、支持されなかったときのショックは大きくなります。
他人との比較が顕著に出ているのが、インスタグラムだと言えるかもしれません

比較しながら生きている私たち

しかし、人と比べて一喜一憂しているのは、インスタグラムをしている人たちだけではないでしょう。
むしろ、常に比較をしながら生きているのが私たちだと言えるのではないでしょうか

物事は、何かと比較して初めて評価することができます。
静岡に住んでいたころ、冬の時期はとても寒いなあと思っていました。
しかし、北陸に来て初めて雪の積もる冬を経験し、寒さというのはこういうものなのかと身に染みて知らされました。
北陸に比べれば、静岡の冬は暖かいのだなと感じたものです。

寒暖、軽重、大小、長短、遅速、明暗、賢愚…。
普段はほとんど意識していませんが、あらゆるものを比較して判断しているのが私たちなのです
そしてそれは幸せに関しても同じではないでしょうか。

幸せを感じるメカニズム

小学生の頃、お札を手にすることはめったにありませんでしたが、年に1度、お年玉をもらう時だけは、「お札」という大金が手に入るのでとても嬉しかったのを覚えています。
しかし、年始に友達が自分より多い金額をもらったことを聞くと、なんだか残念な気持ちになりました。

普段の自分と比べれば、いつもより多い金額を手にしているので嬉しいのですが、他の人と比べて自分の方が金額が少ないと、嬉しさもしぼんでしまうのですね。
他の人、もしくは過去の自分と比べて、良い状態にあるか悪い状態にあるかで、喜べるかどうかも大きく変わってくるということなのです

あの人と比べて自分はなんて恵まれた環境にいるんだろう。
そう思えば、今の生活に感謝を感じ、幸せを感じることができるでしょう。
あの人と比べて、なんて自分は惨めなのだろう。
その様に感じたら、幸せとはとても思えないでしょう。
比べる対象によって、私たちは幸せにも不幸にもなってしまいます。

人との比較を自分を磨く糧にできればよいですが、それで落ち込んでしまう人も少なからずいると思います。
人より劣る自分に価値が感じられなくなってしまうのかもしれません。
しかし、決してそのようなことはないのです。

お釈迦さまが説かれる存在価値

仏教では、賢愚美醜、才能の有無を問わず、等しくすべての人に価値があると教えられています
すべての人に、人と比べる必要のない絶対の幸福の身になれるチャンスがあるからです。
お釈迦さまは次のようなお言葉で教えられています。
天上天下 唯我独尊
「我」というのはお釈迦さまご自身のことを言われているのではなく、「我々人間」ということです。
「ただ我々人間のみになしうる、たった1つの尊い目的がある」と言われているのです

1万円札の顔として有名な福沢諭吉は、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という言葉を残したそうですが、実際には世の中は不平等なことばかりです。
そんな不平等な中にあっても、1人1人の命には大変な価値がある
人より少し劣っているところがあるからといって、価値がないなんてことは決してない
そのような力強いお釈迦さまからのメッセージが込められているのです。

比較せずにいられないのが私たちではありますが、振り回されすぎないように注意したいですね。
苦しくなったときは、仏教を学んでみると、自分の存在価値を確認できるかもしれません。

気づけば今年最後の記事となりました。

本年も皆様には大変お世話になり、ありがとうございました。

よいお年をお迎えください(^^)

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