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演じることに疲れていませんか? 「キラキラ女子」と名誉欲

 

2020/01/16

皆さん、こんにちは!
チューリップ企画スタッフのわかです。

「キラキラ女子アカウント」とは?

皆さんは「キラキラ女子アカウント」というものを聞いたことがありますか?

SNSの一つであるTwitter(ツイッタ―)で、“キラキラな私生活”ばかりをツイートしているアカウントのことを言うそうです。

「キラキラな私生活」とは、

イイ会社に勤めていて彼氏の職業も一流

容姿はモデルか女優並み

住んでいるところや活動区域は東京都港区あたり

スムージーを飲む、ヨガをするなど、美容に関する意識は高め

など、ちょっとワンランク上の、誰もが羨むような生活のこと。

いわゆる「勝ち組」という人たちの生活を垣間見ることができるアカウントなんですね。

偽りの「キラキラ女子」

私にはなんだか遠い世界で、ドラマや漫画の中の話じゃないのかなと思ったりするのですが、実際都会にはきっとそういう生活をしている人もいるのでしょう。

しかし、いくつか存在する「キラキラ女子アカウント」の中には、「偽装」されたものもあることが、先日あるテレビ番組で取り上げられていました。

私たちには書いている人の顔や素性は見えないので、書かれている内容が本当かどうかはわからないわけです。

だから今さら驚くことでもないのかもしれません。

番組では実際「偽装キラキラ女子アカウント」を作っている女性が登場し(※もちろん顔や名前は伏せて)、なぜそんなことをしているのかや、実情などを赤裸々に語っていました。

番組に登場した女性は、アカウントでは「東京に住む商社勤めのOL」としてツイートしているのですが、実際には大阪在住の小さな会社の事務員なのだそうです。

キラキラ女子と「偽装」してツイートしている人は他にもいて、中には男性がキラキラ女子を演じている場合もあるようです

「キラキラ女子」を演じるのはなぜ?

実際東京に住んでいるならまだしも、大阪に住んでいる人が、もっともらしく「東京に住む商社勤めのOL」の生活を書くのは結構大変です。

頻繁に行けるわけではないので、東京へ旅行に出かけた際には写真を撮りため、日常の中でも東京のお店の研究に余念がありません。

読んでいる人に本物だと信じてもらうため、涙ぐましい努力を続けていることが紹介されていました。

そうまでしてなぜ「キラキラ女子」を演じるのでしょうか?

その人は、「普段は地味で周りから見向きもされない自分が、全く違う自分を演じられることがすごく楽しい」と話していました。

「キラキラアカウント」は、言ってしまえば「自慢」なので、見ている人をいらっとさせることも多々あると聞きますが、たとえムカつくと思われても、注目されること自体が嬉しいのだそうです。

名誉欲と「理想の自分」

仏教では「煩悩」が教えられています。煩悩は一人に108あり、年末に除夜の鐘を108回つくのは、煩悩の数からきたと言われています。

108の煩悩の中で、代表的なものが「貪欲(とんよく)」です。

普通、「貪欲」とあれば、「どんよく」と読みますが、仏教では「とんよく」と読みます。

貪欲とは、欲望のことで、特に人間の強い欲望を、仏教では「五欲」と教えられています。

食欲(食べたい、飲みたい)、財欲(物やお金が欲しい)、色欲(男女の欲)、名誉欲(褒められたい、悪く言われたくない)、睡眠欲(眠たい、楽したい)の5つです。

この「キラキラアカウント」はまさに名誉欲の表れだなあ、と感じました。

「よく見られたい」「ほめられたい」というのは誰にでもある心です。

「キラキラ女子」になりたいと思うかどうかは別として、私たちは人に良く見られるために、普段の生活でも「理想の自分」を演じているのではないでしょうか。

自分を繕うことに疲れていませんか?

私は、「偽装キラキラ女子アカウント」を作っている人たちの言葉を聞きながら、人から嫌われまいと「いい人」を演じている自分の姿を思い浮かべました。

私も学生時代、人から悪く思われないよう、自分を繕うのに一生懸命でした。

でも、演じている自分は実際の自分ではないから、ギャップが生まれ、次第に疲れてしまいます

そしてある日ふと、「なんでこんなに頑張らなきゃいけないんだろう」と我に返るのですが、結局また「理想の自分」という仮面をつけて人の中に出ていくのです。

そうやって多くの人が自分を繕い頑張っているのは、「嫌われたくない」という名誉欲を満たすため

「煩悩」というその名の通り、私たちは日々名誉欲で煩い悩んでいるのだなあ、と知らされます。

人の評価は「持ち物への評価」

「キラキラ女子」を演じるその人は、小さいころからの経験で「何を言うかではなく、誰が言うかが大事」だと感じたので、

皆から羨まれるような人間になれば自分の言葉が届くのだと思ったそうです。

人は見た目や持ち物で相手のことを判断しがちです

だから、より多くのものを持っている人、質の高いものを持っている人は重宝され、好かれる傾向にあります。

しかし、それは結局自分の欲を満たすのに都合がいいから「好き」なのであって、本当に相手のことを評価してのことではないように思います。

とんちで有名な一休さんは、「今日褒めて明日悪く言う人の口 泣くも笑うも嘘の世の中」と歌ったそうです。

自分も欲に動かされているなら、相手もまた欲に動かされています。

そういう人間の姿を知れば、好かれるのも嫌われるのも相手の都合によるのだと知らされ、一生懸命自分を飾る必要はないのかなと少し気が楽になるようにも感じます。

とはいえ、相手の評価を気にせずにはいられないのが私たち。

どうせ評価されるなら「偽りの自分」ではなく「現実の自分」をしっかり評価してもらえるように、自分を磨く努力をしていきたいものだな、と思いつつ…。

「キラキラ女子」を演じる彼女たちが、現実の自分にもちゃんと胸を張って生きていけるようにと願った夜でした(^^ゞ

 

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