負けている人こそかっこいい時もある 忍耐する人が持つ強さ
2020/01/16
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。
かっこいい人ってどんな人?
先日やっていたトーク番組の中で、「彼女と一緒に街を歩いている時にガラの悪い人に絡まれたらどうするか」という話をしていました。男性陣は「ケンカしてでも彼女を守る」という意見の人が多いようでした。
その中で、1人「自分は土下座してでも『勘弁してください』とその場をやり過ごします」と答えていた人がいました。
それはカッコ悪いのでは、という周囲の反応の中、その人が答えた理由は次のようなものでした。
「ケンカしたら彼女に危害が及ぶかもしれないので、それなら自分は土下座します」
この意見に、女性陣からは一番かっこいいとの声が上がっていました。
男性にとってプライドはとても大切なものだと言われます。
しかし、そのプライドを捨ててでも彼女を守ろうとする姿勢が高い評価を得たのでしょう。
それは、相手を大切に思っている心の表れだからです。
負けている人が必ずしも弱いわけではない
「花を持つ 人から避ける 山路かな」という歌があります。人が1人通るのがやっとの細い山道で、上から下りてきた人と、下から上ってきた人が鉢合わせました。
どちらかが譲らないと通ることはできません。
そんなとき、先に譲るのはどんな人かというと、両手に花を抱えた人だと言われています。
もし、「自分が通るのが先だ」とお互いがぶつかれば、その衝撃で花は散ってしまいます。
両手に花を抱える人は、大切な花を守るために「お先にどうぞ」と道を譲るのです。
自分から頭を下げたり、戦いを避けたりする人は弱くてかっこ悪い人だと見られがちです。
しかし、自分から折れる人が必ずしも弱いわけではないことを、このエピソードは教えてくれます。
大切なものを守るためとはいえ自分から負けるということは、とても難しいことだからです。
名誉欲を満たしたい姿
仏教では「煩悩具足の凡夫(ぼんのうぐそくのぼんぶ)」といって、すべての人間は煩悩でできているものだと教えられています。煩悩とは私たちを悩ませ、煩わせるもので、全部で108あります。
その中でも代表的なものが欲の心です。
自分の心を見つめると、1日中欲に動かされていることに気づきます。
そんな私たちが幸せを感じるのは、欲を満たした時でしょう。
欲の中でも「他人より勝っていたい、かっこ悪いと思われたくない」という心が名誉欲です。
ですから、ケンカをして勝ったり、道を譲らせることで自分の強さを見せつければ、名誉欲が満たされ、幸せを感じることができます。
ところが、その一方で周りの人は傷ついてしまうかもしれません。
それは、自分の幸せを優先する姿ですから、本当の強さとは言われないのでしょう。
大切なものを失わないために
「負けている 人を弱しと思うなよ 忍ぶ心の強きゆえなり」
ペコペコ頭を下げている人は、一見するとかっこ悪く見えるかもしれません。
しかし、名誉欲を重視している私たちが、自ら負けを選ぶことは本当に難しいことです。
その人が自分のプライドを捨ててまで頭を下げている理由は一体なんでしょうか。
お釈迦さまが挙げられた6つの善い行いの中の1つが忍辱(にんにく)です。
これは現代の言葉では忍耐のことを言われます。
欲が妨げられたとき、怒りの心が顔を出します。
怒りは炎にもたとえられますが、瞬間的にすべてを焼き払ってしまう恐ろしい心です。
自分も周りも傷つけるよくない心だから、忍耐して押さえなさいよ、とお釈迦さまは教えられました。
情けないと笑われたら悔しいはずです。
プライドも傷つくはずです。
それでも、大切なものを守るために頭を下げられる人は、忍耐する心が強く、とても優しい人なのではないでしょうか。
負ける、譲るということも一つの強い信念の表れであることが分かりますね。
周りの人のことを考えて、大事な時には忍耐できる自分でありたいものです(^^ゞ
それでは、また(^^)
この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!