願いを叶えるなら「今」 ハリネズミに伝えたい一歩踏み出すタイミング

2020/01/16
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。
悩むハリネズミ
オランダの作家、トーン・テレヘンさん著の『ハリネズミの願い』という物語があります。本屋大賞の翻訳部門で1位に輝いた作品です。
主人公は臆病者のハリネズミ。
ハリネズミは皆を家に招待するべく手紙を出そうとしますが、「○○が来て大変なことになったらどうしよう」とあらぬ想像をめぐらせ、なかなか招待状を出すことができません。
手紙を書いたはいいけれど、投函する勇気は出ずに、「今はまだ出さないでおこう」と戸棚にしまってしまいます。
この本のレビューを見ていると両極端です。
「こういうことよく思うし、ハリネズミの気持ちがよく分かる」という人もいれば、
「なんてネガティブなハリネズミなんだ!全然共感できない」という感想もありました。
客観的な立場からすれば、「うじうじ悩まずにやってみたらいいじゃないか」と思うかもしれません。
しかし、いざ自分が同じ立場に立つと、なかなか思い切りが出てこないものです。
一歩踏み出すのは勇気が出てから?
新しいことを始めるのは意外に勇気がいるもの。今まで通りのことを続けていれば、そんなに変わったことは起きないけれど、新しいことをすると予想外の失敗をすることがあるからです。
「失敗したらどうしよう」「嫌な思いをしたくないな」と思うと、なかなか一歩が踏み出せないんですよね。
ハリネズミのように、やりたいことがあっても「今はまだ」と考えている人は多いのではないでしょうか。
そういう人は「いつか勇気が出て、新しい一歩が踏み出せるに違いない」と期待しているのです。
しかし、私たちはこの時重要なことを見落としています。
「いつか」と思っていたら永遠にその時は来ないということを、です。
未来に待っているものは何か
不思議なもので、私たちは「未来に何かいいことが待っているはず」と思っています。中学生の時、高校に進学したら何か新しいことが始まるんじゃないかとわくわくしていました。
ところが、実際に高校に進学したら、思い描いていたような日々はそこにはありません。
そして、大学に合格したら、と再び期待を膨らませるのですが、合格しても思ったような毎日がないのです。
なぜ、期待していたものが得られないのでしょうか。
現在の延長線上にあるのが「未来」だということを忘れているからです。
「未来」とは「今日」の連続
作家として有名な森鴎外の『青年』という作品に次のような一節があります。「現在は過去と未来との間に劃(かく)した一線である。
この線の上に生活がなくては、生活はどこにもないのである」
私たちの人生は「今日」の連続でできています。
「今日」から見た「明日」は、明日になったら今日になります。
自分の影を踏もうとしても踏めないように、どこまで行ってもやってくるのは「今日」という日です。
つまり、「今日」変わらなければ、いつまでたっても変われないということなのです。
今日の積み重ねが未来を創る
人気コーヒーショップ、ドトールコーヒーの創業者で、現在名誉会長を務めている鳥羽博道さんは、自らの座右の銘を「因果倶時(いんがぐじ)」だと語っていました。「因果倶時」とは、「原因と結果は必ず一致するもの」という意味の仏教の言葉です。
仏教では、「過去の因を知らんと欲すれば、現在の果を見よ。未来の果を知らんと欲すれば、現在の因を見よ」と、言われています。
つまり、「過去に自分がやってきたことを知りたければ、現在の自分に起きている結果を見ればおのずとわかる。
また、未来自分がどうなっていくのかを知りたければ、現在の自分の行動を見ていけば明らかだ」ということです。
鳥羽さんは、この言葉を知り、著書『ドトールコーヒー「勝つか死ぬか」の創業記』の中で以下のように書かれています。
「自分自身が毎日、未来の結果の原因を積んでいるということだ。
人生の真理をこれほど厳しく、鋭く突いている言葉はないと思う。
この言葉の意味を初めて知った時、一日、一時間どころか、
一分、一秒すらおろそかにはできないと、息の詰まるような思いがしたものだ」
過去、自分が積み上げてきた日々の上に今日があり、今日積み上げている日々の上に未来があります。
これから生きる未来を創るのは自分自身。
今生きている一瞬一瞬こそ大事にしなければいけないということなのですね。
未来を変えるタイミングとは
いつか突然勇気が出てくるのでもなければ、宝くじのようにある日突然いいことが転がり込んでくるのでもありません。勇気を出すのは自分自身ですから、日々少しずつ自信をつけていった上で一歩が踏み出せるのでしょうし、毎日コツコツ積み重ねていった上にいい毎日が訪れるのでしょう。
だからもし、「今のままではいけない」「未来を変えたい」と思うのであれば、今すぐに動き出さなければいけないことが分かります。
「人生」とは、70年、80年のことではなく、自分が今まさに生きている「今日」のこと。
今以上に自分が若い時はないとも言われます。
新しいことを始めるなら、今が一番ではないでしょうか。
ぜひ、ハリネズミにも勇気ある一歩を踏み出してもらいたいものです(^^ゞ
それでは、また(^^)/ -スタッフブログ, メディア
この記事を書いたスタッフ

チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!