水が石に穴を開ける? 蓮如上人が説く続けることの大切さ
2020/01/16
皆さん、こんにちは!
チューリップ企画スタッフのわかです。
研究の原動力は「なんでだろう」
先日、なんとなくテレビをつけていたら突然母校の大学の名前が出てきて、何かと思ってよくよく見てみると、ある名誉教授が紹介されていました。理系学部の教授なので直接は知らないのですが、かつて教養課程の授業で、コーヒーをテーマにした人気の授業があり、そこで教鞭をとっていたのがその教授でした。
そういえば名前を見たことがあるなあ、と懐かしく思い出しました。
番組では、教授が過去にイグノーベル賞を受賞していることを取り上げ、その経緯を紹介していました。
イグノーベル賞とは、毎年10月、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」や風変わりな研究などを発表した10の個人やグループに対し、時には笑いと賞賛を、時には皮肉を込めて授与されるものです。
教授は子供のころからいろいろなことに「なんでだろう?」と疑問を持つ人だったと言います。
その好奇心が、さまざまな研究の原動力になっていったのですね。
疑問を深めていくことで文明は進化する!
教授は、元々企業の広告や宣伝のために使われていたアークライトを、防災時に利用できないかと提案。防水機能などを新たに兼ね備え開発されたライトは、熊本の震災により車中泊を余儀なくされた人たちを照らし、非常に喜ばれたとのこと。
普通の人ならどうでもいいと流してしまうような疑問でも、そこで立ち止まり、深めていく。
今私たちが恩恵を受けている様々なことが、研究者の人たちのふとした疑問をきっかけに生まれているのだなあ、と改めて考えさせられました。
子どもの頃は疑問に思ったことをすぐに大人に訊ねたりしていましたが、年を取るにつれて、だんだんと人に聞くことがはばかられるようになりました。
ちょっとした疑問だったら「わからなくても支障はないし、まあ、いいか」で済ませてしまうことがほとんどです。
しかし、そういう疑問にこそ、大きく文明を進化させるヒントが隠されているものなのかもしれません。
答えにたどり着くまで
教授がイグ・ノーベル賞を受賞するきっかけとなったのは、学生時代に感じたとある疑問でした。その当時は疑問を解決するすべを持たなかった教授でしたが、それから何十年も経ってから疑問を解決するチャンスを掴み、研究に取り組んだ結果、受賞に至ったのだそうです。
一筋縄ではいかないことでも、自分にとってどうしても譲れないことであれば、ちゃんと答えを見つけたいと思うものですよね。
志を貫けば、必ず答えにたどり着けるということを知らされました(^^)
「仏教はムズカシイ!」そんな人には…
そういえば先日、読者の方から頂いたお手紙にはこのように書かれていました。
何度も読むうちに
お寺に行っても仏教のことが伝わってきませんでした。
『正信偈』について知りたいと思いました。
はじめ読みかけの時、分からない言葉が次々と出てきて1ページ読んでは休み、また1ページと時間がかかりました。
読み続けることが少しずつできてきて、これだったら続けられると思い、申し込みました。
心の持ち方がおだやかになった気がしています。
バタバタ時間に追われていた頃がウソのようです。
何があっても受け入れていけるような気持ちにさせてもらいました。
(兵庫県・60歳女性)
『とどろき』は、どんな人にもわかるような誌面作りを心がけていますが、「それでもやっぱり難しいなあ」と思われる方もおられるようです。
仏教の言葉は漢字が多く、馴染みのないものなので、そのように感じられるのも当然だと思います。
私自身、初めて仏教に触れたときは難しく感じていました。
しかし、この方は「『正信偈』ってどんなことが教えられているんだろう?」という疑問をそのままにはできず、根気よく時間をかけて読まれていったんですね。
何度も何度も繰り返すことで、内容が理解できたと喜んでおられます。
水が石に穴を開けるのはなぜ?
蓮如上人は、仏教を聴いていくと様々な疑問が出てきたり、わからないことが出てくるかもしれないけれど、根気強く聴いていけば必ずわかる時が来ると言われました。至りて堅きは石なり。至りて軟らかなるは水なり。水よく石を穿(うが)つ。
「心源もし徹しなば、菩提の覚道何事か成ぜざらん」といえる古き詞(ことば)あり。
いかに不信なりとも、聴聞(ちょうもん)を心に入れて申さば、お慈悲にて候間、信を獲べきなり。
ただ、仏法は聴聞に極まることなり。
(御一代記聞書)
(意訳)
石は硬いもの。水は反対に柔らかいもの。
しかし、そんな柔らかい水が硬い石に穴を開けるということがある。それは、ひとえに同じ場所に水滴を落としたから。
同じように、たとえわからないことがあっても、根気強く重ねて仏教を学んでいけば、必ず理解できる時がくるのだと教えられているのです。
「継続は力なり」と言われますが、何事も続けることが大事だな、とお手紙を読んでいて感じました(^^ゞ
同じことを続けていれば、おのずと道は開けてくるものなのですね。
私も心がけていきたいと思います!
それでは、また(^^)/
この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!