忘れないためにはどうすればいい? 蓮如上人に学ぶ発想の転換
2020/01/16
こんにちは!
チューリップ企画スタッフのわかです。
「とんち」といえば一休さん
室町時代の一休さんといえばとんちで有名です。橋の前に「この“はし”わたるべからず」という看板が立っているのを見て、「“端”を渡らなければいいのだろう」と、
堂々と橋の真ん中を渡っていったというエピソードを国語の教科書で読み、すごい発想力だなと子どもながらに感じたものでした。
私は以前から「気の利いた返答」ができる人に憧れているのですが、どれだけ研究してもとっさにできる気がしません(^_^;)
一休さんのようにすぐさま切り返せるのは、やはり頭の回転が速いからなのだろうなあ、と思うのです。
一休さんがどうしても勝てなかった人
事実かどうかは別として、幼少期から大人をもやり込める頭の良さがあった一休さんですが、実はどうしても勝てない相手がいたのだそうです。それが同時代に活躍されていた蓮如上人でした。
一休さんは蓮如上人にとんち勝負を仕掛けては、その上を行く切り返しを受けていたと言います。
蓮如上人が新たな御坊(お寺)を建設されていた時のこと。
建立のための資材として置いてあった木材の上に、草を頭の上に乗せた坊主が立っている。
「その木材を使いたいからどいてほしい」といくら言っても、坊主は何も言わず立ったまま。
困り果てたお弟子が蓮如上人に相談しに行くと、蓮如上人は驚いた様子もなく、「ああ、それは一休だろう。茶を出してやりなさい」と一言。
言われたとおりにお茶を出すと、一休さんは満足したのかあっさり木材の上から降りて帰って行ったというエピソードを聞いたことがあります。
蓮如上人が見抜かれた答え
皆さんは、このエピソードの意味が分かりますか?言われたとおりにしたはいいが、意味が解らなかったお弟子は、再び蓮如上人のところに戻り、わけを尋ねました。
「『木』の上に『人』が立って、頭の上に『草』をのせている。これで『茶』という字を表しているわけだ。つまり、『お茶をくれ』ということじゃよ」
困らせてやろうと思ってしたことも、蓮如上人にかかれば一発で見抜かれてしまうのですね。
最初このエピソードを聞いた時、頭の固い私にはさっぱりわかりませんでした。
どんな物事においても、発想の転換が必要で、柔軟な考え方が大事なのだなとつくづく思ったものです。
学んだことを忘れないためには
そして、先日届いた次のお手紙で、蓮如上人のエピソードをもう一つ思い出したのです。
常に仏法に触れていたい
仏教が亡くなった人のためではなく、今生きている私たちへの教えであると知り学びたいと思い、その一つの手段として『とどろき』の購読を決めました。
インターネットで仏教のことを調べ学んでいるときに目にして知りました。
ともすれば、やはり忘れてしまうことばかりなので、常に仏法に触れていたいという思いがあります。
(大阪府・48歳男性)
ある日、蓮如上人にこんなことを尋ねる人がありました。
「私は仏教を聞いても、ざるから水がこぼれてしまうように、すぐに忘れてしまうのです。忘れないようにするにはどうしたらいいでしょうか」
蓮如上人はその時このように答えられたそうです。
「上にあげたら水がこぼれてしまうのだから、ざるを常に水につけておけばよいのだよ」
「忘れる私」が心がけるべきこと
「ざるを常に水につける」とは、常に仏法に触れられるところに身を置くということです。「寺はてるてる 道々曇る 家に帰れば雨風じゃ」という歌があるそうです。
仏教の話を聞いているときは「なるほど!」と思っていても、そこから家に帰る道中でだんだんと聞いたことが薄れてゆき、家に帰ると家事や仕事に追われて、聞いてきたことも忘れてしまいます。
日常の雑事に追われて大事なことでもすぐに忘れてしまうのが私たち。
せっかく学んだことも、ざるから水がこぼれるようにあっという間に忘れてしまうのです。
だからこそ、忘れないうちにまた仏法に触れるということが大事なのだと、蓮如上人は言われたのですね。
大事なのは忘れないための環境づくり
どんなに難しい漢字でも、自分の名前に使われていたら自然と覚えてしまいます。英単語も、よく使うものはいちいちスペルを確認したりしません。
繰り返し繰り返し、それらに触れているからです。
仏教も、常に触れていれば自然と忘れなくなるのだと言われます。
私たちは「ざるから水をこぼれないようにするにはどうすればいい?」と考えがちですが、ざるはそもそも水がこぼれるものです。
それをこぼれないようにするのは至難の業です。
人間は「縁」によってどのようにでも変わるもの。
忘れるものだとありのままに見て、忘れない環境づくりをしていくことが大事なんですね(^^ゞ
月1回ずつ継続して『とどろき』を読まれることで、仏法に触れる環境を作ることができます。
今回紹介した大阪府の読者の方はそれを実行されています。
これから浄土真宗を学びたいと思っておられる方にはおすすめです(*^_^*)
それにつけても、私ももっと頭を柔らかくしたいものです。。
蓮如上人に学ばせて頂きたいと思います!
こちらの記事では、蓮如上人の書かれた「白骨の章」について書いています。
→蓮如上人の「白骨の章」から知る人生の儚さと本当の幸せ
それでは、また(^^)/ -おたよりから, スタッフブログ
この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!