「欲とハサミは使いよう」 直虎をおんな城主へと動かした恋の力
2020/01/16
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。
先日お菓子の差し入れをもらいました。
その方いわく、「家に置いておいたら一袋全部食べちゃうしねえ」とのこと。
その言葉に、「職場に持ってくれば、皆の目があるから一人でたくさん食べたりしないもんね」と深く共感しあいました。
「名誉欲」をもって「食欲」を抑える。なるほど、これも一つの方法だなあと思いました。
「竜宮小僧になりたい!」
皆さんは、大河ドラマ見ていますか?現在放送されている大河ドラマ「おんな城主直虎」では、初回四話で主人公直虎の幼少期が描かれていました。
直虎は本名をおとわと言います。おとわには二人の幼馴染がいて、その一人である亀之丞とは許嫁の関係です。
おとわは元来体が強くない亀之丞を気遣い、将来夫婦となったなら、「竜宮小僧」となって彼を支えると約束します。
「竜宮小僧」というのは、その土地の伝承で、人が困っていることを、知らぬ間に手伝ってくれる謎の存在のことだそうです。
知らぬ間に田に苗を植えておいてくれたり、洗濯物を取り込んでおいてくれたりするので、地元民たちから愛される存在であったと伝えられています。
つまり、おとわは亀之丞のことを生涯支え続けるという意味で「竜宮小僧になる」と言ったわけです。
姫が僧侶になることは
しかし、井伊家が謀反の疑いをかけられたことから、亀之丞とは離れ離れになってしまい、更には井伊家を存続させるための条件として、後継者であるおとわを出家させよとの命令が下ります。子どもであるおとわは、よく分からないまま僧侶となるのですが、寺では予想外の生活が待っていました。
元々は由緒ある井伊家の一人娘。姫として、蝶よ花よと育てられたおとわにとって、質素な食事や厳しい修行など、僧侶の生活は耐えられるものではありません。
質素な食事を前に不満げな表情のおとわ。
そんな彼女を見た和尚は、「もしも食べたいものがあるなら村へ行ってもらってきなさい」と、あえて何も説明せずに村へ送り出しました。
嬉々として村へ繰り出したおとわは、食べ物を売っている人へ片っ端から「食べ物をくれ」と言ってまわります。
村人たちはそんなおとわを無視し、それでもなお食い下がると、犬を追い払うように冷たくあしらいました。
食べ物をもらうこともできず、何一つ思い通りにならない寺の生活に不満一杯のおとわ。
亀之丞を支えるためには?
とぼとぼと村から寺へと帰る途中、おとわはもう一人の幼馴染である鶴丸に出会います。僧侶の生活は嫌だと嘆き、出家しては亀之丞の妻にもなれず、竜宮小僧になるという誓いも果たせないと悲しむおとわ。
そんな彼女に鶴丸は言います。
「妻にはなれずとも、竜宮小僧にはなれるのではないか?
寺にはご領主を助ける役目もある。
妻としてよりも僧侶としての方が亀を助けられることは多いくらいではないのか」
その言葉を聞いたおとわは、いずれ領主となる亀之丞を支えるために僧侶となることを決め、寺に戻ります。
そして、竜宮小僧になるにはどうしたらいいか尋ねる彼女に、和尚は「竜宮小僧のようにふるまってみたらよいのではないか」と告げるのです。
再び村へ行ったおとわは、自分を冷たくあしらった村人の一人が水がなくて困っているのを見つけます。
誰に言われるでもなく自ら進んで水を汲みにいったおとわは、村人からお礼の言葉と共に食べ物をもらいました。
そうして、誰かの助けとなることで、自分もまた助けてもらえるのだということを知るのです。
欲に動かされる日々
私たちは日々煩悩に動かされていると言われます。煩悩は108つありますが、中でも代表的なのは「欲」です。
欲は大きく5つに分けられ、食欲、財欲、色欲、名誉欲、睡眠欲があると教えられています。
食べたい、1円でも多くお金が欲しい、あの人から好かれたい、ほめられたい、楽がしたい。こういう心のことです。
自分の1日の行動を振り返ると、朝から夜寝るまで、本当に欲に動かされているなあと思います。
どうせ動かされるならプラスの方向へ
美味しいものを独り占めしたいと思うのも欲なら、皆とわけあって喜んでほしいと思うのも欲。質素な生活は嫌だと駄々をこねるのも欲なら、好きな人のために竜宮小僧になりたいと思うのもまた欲です。
おとわが竜宮小僧になりたいと言い出したのは、人を助けたいと思ったからではなく、許嫁の亀之丞を支えたいという思いから。
見る人が見れば不純な動機だなあと感じるのかもしれませんが、竜宮小僧のまねをしてみたおとわは、結果的に人を助けています。そして、そこから人のために動く喜びを知るのです。
私たちを煩わせ悩ませる欲も、うまく利用すれば、自分をプラスの方向へ進ませる糧となります。
「欲とハサミは使いよう」ということですね!
自分の心をよく見つめて、少しでも良い方へ進んでいきたいものです。
煩悩については、こちらの記事で解説しています。
煩悩に振り回されていませんか?|「煩悩即菩提」から知る煩悩と幸せの関係
それでは、また(^^)/ -スタッフブログ, メディア
この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!