「人が一番うれしいこと」とは? アンパンマンが教えてくれる本当の親切
2020/01/16
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。
子どもたちから絶大な支持を受けたのは?
おもちゃで有名な株式会社バンダイが「子どもが好きなキャラクター」に関するアンケート結果を発表していました。その中で見事1位に輝いたのは、仮面ライダーでも、プリキュアでもなく、アンパンマンだったそうです。
この調査は毎年行われており、アンパンマンは昨年も1位を獲得しています。
2016年、2015年は「妖怪ウォッチ」にトップを奪われてしまいましたが、それでも2位。それ以前の年はずっとアンパンマンが1位だったのだとか。
確かに、知人のお子さんたちを見ていると、必ずと言っていいほど持ち物の中にアンパンマンのグッズがあります。
「うちの子はアンパンマンが好きだ」という親御さんは多いのではないでしょうか。
また、「子供のころアンパンマンが好きで、録画したビデオをずっと見ていても飽きなかった」と言っていた後輩もいました。
世代を超えて愛されるキャラクター、アンパンマン。
今年30周年を迎える作品が、今なお子どもたちに絶大な人気を誇っているのはなぜなのでしょうか?
アンパンマンで伝えたかったこと
今でこそ人気のアンパンマンですが、始まった当初は批判もあったそうです。アンパンマンはお腹をすかせた子を見つけると、自分の顔をちぎって与えます。
それが、『自分の顔を食べさせるなんて残酷』と、評論家や視聴していた親御さんに酷評されたのです。
それに対し、作者のやなせたかしさんは、この設定を決して譲らなかったといいます。
ここには重要な意味が込められていたからです。
「本当の正義というものは、けっして、かっこいいものではないし、そして、そのために必ず自分も深く傷つくものです。
そういう捨て身、献身の心なくして正義は行えません」
本当の親切とは何か?
ここで言われる正義とは、人に親切にすることでしょう。親切といえば、私たちも幼いころから教えられてきたことで、当たり前のことだと思っています。
ですから、常日頃人に親切にするよう心がけている人が多いと思います。
親切しようと思えばいつでもできる。私たちの中には、そのような心があるのではないでしょうか。
ところが、余裕がない時はどうでしょうか。
お腹がすいている時、ようやくありつけた食料を他人に分けてあげることができるでしょうか。
くたくたに疲れている時に、電車で席を譲ることができるでしょうか。
大変な目に遭っている時に、人に笑顔で接することができるでしょうか。
余裕がない時、私たちには、他人を押しのけてでも自分の利益を優先させようとする心が出てきます。
これを仏教では「我利我利(がりがり)」と言われます。
私たちの根底にはこの心があると教えられているのです。
自分もお腹がすいているから、とても疲れているから、大変な状況だから。
できない理由を並べればいくらでも出てくるのですが、それは相手には関係のないことです。
相手や場所、時を問わず、いつでも実行できてこそ、本当の親切と言われるのでしょう。
人間が一番うれしいこと
そう考えると、親切にすることはとても難しいことだと分かります。やなせさんは「捨て身」「献身」と言われていますが、自分の時間やお金、労力を削らなければいけないこともたくさんあると思います。
それでも、人に幸せになってもらいたいと親切に心がける人は、周りの人から好かれ、自らもまた幸せになれるのです。
仏教ではこれを「自利利他(じりりた)」と言われます。
やなせさんは2013年に亡くなりましたが、生前このように言われていたそうです。
「人間が一番うれしいことはなんだろう? 長い間、ぼくは考えてきた。
そして結局、人が一番うれしいのは、人をよろこばせることだということがわかりました。
実に単純なことです。ひとはひとをよろこばせることが一番うれしい」
アンパンマンは、顔をちぎったら本来の力が出せなくなってしまいます。
いつバイキンマンが悪さをするか分かりませんから、顔をちぎったらいざという時困ると思うのですが、それでもお腹をすかせた子が目の前にいたら与えるのです。
それはひとえに、相手に喜んでもらいたいという親切の心からでしょう。
常に人を喜ばせようと作品を手掛けてきたやなせさんと、そのやなせさんが描いた優しいヒーロー。
だからこそアンパンマンは、30年経った今も愛され続けているのですね。
「施しは 生きる力の 元と知れ」
いつも人に喜んでもらいたいという思いでいたら、疲れていても力が湧いてくるかもしれません。
それでは、また(^^)/
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この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!