人生を後悔で終わらせないために 知っておきたい「無常観」という最大の危機管理
2020/01/16
皆さん、こんにちは。
チューリップ企画スタッフのわかです。
先日聞いた話ですが、缶詰は時間が経てば経つほど、調味液が食材に浸透して美味しくなっていくのだそうです。
元々、長期間の保存を前提に作られたものですから、時間が経っても美味しく食べられるように工夫されているのでしょうね。
70年前に作られた赤飯の缶詰が発見され、中に入っていた赤飯には細菌がまったくなかったというのだから驚きです。
防災訓練に力を入れるのはなぜ?
家庭の食卓でもよく食べられている缶詰ですが、本来は保存食として作られていたものです。最近は全国でも様々な災害があり、いつ何が起きてもおかしくないということから、家に災害用の準備をされている方も多いのではないかと思います。
実家にも、いつ地震が来ても大丈夫なように非常食や防災対策グッズがいつも置いてありました。
地元では、何十年も前から大地震が起きると言われていたので、毎年防災訓練は当たり前で、結構頻繁に行われていたと記憶しています。
学校はもちろん、地域でも避難訓練があって、幼いころから心得をたたきこまれてきました。
学校での避難訓練は日にちだけ決まっていて、時間は知らされません。
授業中に突然ベルが鳴り、そこから訓練がスタートするという、なかなか本格的なことが行われていました。
授業はそれでつぶれるので、それが嫌いな科目の授業だったら内心嬉しいのですが、こんなに大掛かりにやらなくてもいいのになあ、と子ども心に思ったものです。
地震は起きていないのに、なぜそんなに対策に一生懸命取り組むのでしょうか。
危機管理は余裕のある時にこそ
それは、ことが起きてからでは対処のしようがないからです。「居安思危(こあんしき)」という言葉があります。
「安(やす)きに居(お)りて危(あやう)きを思う」と書き下し、
「平穏無事な時でも、危機管理を怠らないこと」を言われています。
中国の孔子が編集した史書『春秋』の注釈書『春秋左氏伝』に記されていて、
この後には「思えば則ち備え有り、備え有れば憂い無し」という有名な言葉が続きます。
私たちは平和な時には何も考えず、今が楽しければそれでいいという考えに陥りがちです。
「なにか起こったら起こったその時に考えればいいんだよ」とのんびりと構えている人も多いかもしれません。
しかし、実際天災や人災に見舞われた時、どうにかできるかというと、その時は大体手遅れになってしまうのです。
学生時代のテスト期間などは、その象徴とも言えます。
普段からコツコツ勉強しておけばいいのに、なぜかテスト前にまとめてやろうとする。
「テストのことはテストの直前に考えればいいんだ」というわけです。
そしていざテスト前になると、「なぜもっと早くから勉強しておかなかったんだろう」と後悔する。その繰り返しでした。
時間があったり、余裕のある時にこそ、もしもの時のための準備をしておかなければならないのに、できないのはなぜなのでしょうか。
それは、「まだまだ時間はある」とか、「自分の上にめったなことは起こらない」と思っているからです。
でも、本当にそうでしょうか?
私たちの最大の無常とは
仏教で「諸行無常」と言われますが、「諸行」とは「すべてのもの」ということであり、「無常」とは「常がなく、続かない」ことなので、「すべてのものは続かない」という意味です。
仕事が順調だ、家庭円満だ、健康だ、と今は幸せな生活が送れていても、何が起きるか分からない世の中で、いつその幸せを手離す時が来るか分かりません。
私たちにとって最大の無常は「命」の喪失です。
命を失うとき、積み上げていた大切なすべてと別れねばなりません。
そうなった時に後悔をしても後の祭りです。
それがいつ来るか分からないのですから、すぐにでも対策を立てることが大切でしょう。
人生を後悔で終わらせないために
とは言っても、「命」の終わりを考えることはイヤだし、暗くなりそうです。でも、それは、いたずらに暗く沈むためではなく、人生を後悔で終わらせないための大切な視点だと、仏教を説かれたお釈迦さまは仰るのです。
仏教では、感じるとか、感じないとかの「無常感」ではなく、ありのままの事実を見つめる「無常観」が説かれています。
自分の命も無常であるということを知り、限りがあるということを知って、平穏無事な時にこそ、心落ち着けて仏教を学んでみるのもいいかもしれません。
それでは、また(^^)/
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この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!