「おひとりさま」で本当にいい? 孤独を知ると価値観の違いも乗り越えられる
2020/01/16
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
チューリップ企画スタッフのわかです。
日本から消えゆく「4人分」
先日テレビで「日本から消えゆくもの」を紹介していました。公衆電話やワープロ、公園の遊具など、すでに街中でほとんど見かけなくなったものもありますが、これからなくなってゆくものもたくさんあるそうです。
その中の一つに「料理本の(4人分)の表記」が挙げられていました。
自分が持っている料理本を見てみると、どのページにも4人分として、材料とレシピが載っています。
しかし、最近出版されているものは、2人分、ないしは3人分の表記が主流なのだとか。
核家族化してきた現代では、4人分は多すぎるのでしょうね。
そしてさらに時代が進むと、1人分の表記が中心になるとも言っていました。
現代では一人暮らし世帯が増えており、2030年には人口の半分がおひとりさま世帯になるというデータが出ているそうです。
背景には、一度も結婚せずに独身を貫く人が多くなっていることが挙げられています。
一人の方が自由で気楽だと考えるのでしょうね。
男性と女性のすれ違いの理由
男性と女性というのは、同じ人間でも全く別の種類の生き物だと聞いたことがあります。それほど考え方や能力が異なるということなのでしょう。
男性はシングルタスク、女性はマルチタスクという違いはよく言われることですよね。
シングルタスクとは一点集中型のことで、男性に多い特徴だそうです。
マルチタスクとは複数のことを同時進行でこなす能力のことで、女性はこのタイプが多いと言われます。
また、男性は一人で行動することを好むのに対し、女性は誰かと一緒にいることを好む傾向にあります。
悩み相談をした時には、男性は問題の解決を求めますが、女性はただただ話を聞いてくれることを望みます。
男性はプライドを大切にすると言われますが、女性は共感を重視しています。
こうして違いを見ていくと、根本的に考え方や価値観が異なることが分かります。
いつの時代も「なぜわかってくれないの?」という男女のすれ違いが絶えないのは、無理のないことなのかもしれません。
そうしたいざこざのことを考えると、結婚せずに一人でいた方がよほど気が楽。
「おひとりさま」に落ち着くのも自然なことのように思えてきますね。
孤独は一体どこにあるのか?
ただ、本当に一人でもよいのかというと、そういうわけではないでしょう。私たちは、自分のことを理解してくれる人を求めているのではないでしょうか。
もし、自分のことを本当に理解し、受け入れてくれる人があるのなら、それはとても嬉しいことです。
しかし、実際には分かり合えずに傷つくことばかり。
だからこそ、おひとりさまを選ぶ人が増えているのかもしれません。
日本を代表する哲学者の一人である三木清は、孤独について次のように述べています。
「孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのでなく、大勢の人間の『 間 』にあるのである」
もともと一人であれば、寂しいのも当たり前と思えます。
しかし、たくさんの人に囲まれていながら孤独になるとはなかなか思えません。
孤独を癒すために一緒にいるのに、その相手と分かり合えないとなったら、余計に寂しさは募るのではないでしょうか。
それが大勢の人の間に孤独があると言われる所以です。
仏教が教える孤独の理由
人に囲まれていても孤独感にさいなまれる理由を、お釈迦さまは次のように言われています。「独生独死 独去独来(どくしょうどくし どっこどくらい)」
生まれてきた時も独りなら、死んでいくときも独り、独りで来て独りで去っていく。
それが私たちだと教えられています。
肉体の連れはあっても、魂の連れはないことを言われているのです。
それは、夫婦に限らず、親子でも、兄弟でも、友人でも変わりません。
自分自身の本当の心を分かってくれる人は、実際のところ誰もいないことに気づきます。
「人生は孤独だ」と聞くと寂しいものだなあと思いますが、分かり合えないと知ればこそ、受け入れられることもたくさんあるのではないでしょうか。
「価値観の違いは当然」という視点に立つと
以前、愛妻家で知られるタレントの所ジョージさんが奥さんについて語った言葉が話題になっていました。「奥さんに例えば『俺はこう思う。こういう価値観だ』で、奥さんも同じ価値観だったらそれはもう俺じゃん。
俺は俺と結婚しないから。俺と全然価値観違っている人と結婚してるんだから」
私たちは自分の価値観を通してしか物事を見ることができません。
ですから、どうしても自分本位に物事を判断してしまい、「価値観が合わない人とはやっていけない!」と思うのです。
しかし、そもそも価値観がぴったり合う人はいないと分かると、こだわる気持ちもどこかへ行って、どうすれば仲良くやって行けるだろうかという視点に変わっていきます。
事実を見つめ、考え方の前提を変えると、周りの人への接し方も自然と変わってくるのではないでしょうか。
「分かり合えないから一人でいい」とアキラメルより、分かり合えなくても仲良くできる方法を探って、歩み寄っていきたいですね。
それでは、また(^^)/
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この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!