自分より他人を優先するのが「奇特な人」 穏やかな日々を送るために大切なこと
2020/01/16
いつもお読みくださり、ありがとうございます。
チューリップ企画、スタッフのわかです。
「奇特な人」ってどんな人かご存知ですか?
「こんな時代に奇特な若者がいたものだ」こういうセリフを耳にするとき、私は「今時珍しい若者だ」という意味で解釈をしていました。
「奇特な人」といえば「珍しい人」という意味だと思っていたからです。
しかし、正しい意味は、「言行や心がけなどが優れている人」であることを知ったのはつい最近のことです。
まだまだ知らない日本語はたくさんあるのだなあと思う一方、なぜこんなにも意味が変化してしまったのだろうと少し考えてしまいました。
安心して暮らせる場所はどこか
大学をどこにしようかと考えていた頃、ちょうど県民性を取り上げたテレビ番組が放送されていました。詳しいことは忘れてしまったのですが、見知らぬ人が困っていた時、手助けしてくれるかどうかを地域ごとに検証するという内容だったと思います。
まったく手助けしないというところはなくても、やはり地域によって対応の違いがあり、特に東北の人たちの優しさが印象的でした。
その時の解説では、東北は豪雪地帯なので、普段から皆で助け合って暮らしているからではないかと言っていました。
それ以来、私の頭の中には「雪国には優しい人が多い」というイメージが出来上がったのです。
そして、進学するなら雪の降る地域の大学にしようと決めたのでした。
現代では、隣近所の付き合いもあまりしなくなり、人間関係が希薄になっていると言われます。
無差別に人を狙った犯罪も増えてきたので、簡単に人を信用できなくなったということもあるかもしれません。
何があるか分からない世の中、できるだけ面倒に巻き込まれないように、人との関わりを避ける人も多いのでしょう。
そんな現代で、見知らぬ人でも関係なく親切にしたり、助けてあげられる人は決して多くはありません。
見知らぬ人に声をかけるということ自体、大変勇気のいることです。
「言行や心がけなどが優れている人」というのは「他人に親切にできる人」も含まれると思いますが、まさに「珍しい人」なのかもしれません。
我利我利と自利利他
お釈迦さまは、欲の本性を「我利我利(がりがり)」と説かれています。これは、「自分さえよければいい、他人はどうなってもいい」という自分勝手な心のことです。
誰しも、心の奥に、この我利我利の心が潜んでいると教えられています。
普段は他人に親切にしよう、優しくしようとしていても、余裕がなくなると、途端に我利我利の心が顔を出します。
我利我利の反対は「自利利他(じりりた)」と言われます。
「他人を幸せにするままが自分の幸せになる」ということです。
仏教は自利利他の精神で貫かれています。「幸せになりたかったら、他人に与えることだけ考えなさい」と教えられるのです。
「我利我利」と「自利利他」をよく表しているこんな話を聞いたことがあります。
ある人が地獄の見学に出かけた時のこと。
地獄は、その時ちょうど食事時でした。
地獄にいる人たちは、皆ガリガリにやせ細っているので、どんなに質素な食事が出てくるのだろうと思っていると、なんと、食卓に並んでいるのは豪華な食事です。
そして、食卓には背丈ほどもある長い箸が置いてあります。
人々は我先に食事にありつこうと、長い箸を使ってなんとか食べようとするのですが、どうしても食べられません。
それで皆あんなにやせ細っているんだな。納得して、地獄を後にしました。
続いて、見学に行ったのは極楽。
極楽もちょうど食事時でした。
極楽にいる人たちは、見るからに健康そうで、きっと恵まれた食事をしているのだろうと見ていると、豪華な食事はもちろん、地獄の時と同じく長い箸が置いてあります。
極楽の人たちはどうやって食事をしているのだろう?
疑問に思っていると、一人が箸を器用に使って向かい側の席に座っている人に食事を食べさせてあげました。
そうすると、今度は食べさせてもらっていた人が箸をとって、食事を食べさせてあげます。
そうしてお互いに協力して食事をとっていたのです。
「なるほど、さすが極楽の住人は心がけが違うなあ」と、その人は大いに感心したそうです。
穏やかな毎日を送るために
「自分さえよければいい」という思いを押し通すと、結果的に他人だけでなく自分も損をすることになってしまいます。逆に、「他人を幸せにしよう」という気持ちで親切にすると、結果的には自分自身も幸せになることができるのです。
お互いに無関心で、かかわりを避けているようなところだと、とても冷たい印象を受け、近づき難いと思ってしまいます。
やはり、居心地がいいと感じるのは、いつでも他人に温かく接し、見知らぬ人にでも親切にしてくれるような人がたくさんいるところなのではないでしょうか。
「奇特な人」が珍しくない世の中であれば、もっと安心できて穏やかな毎日が送れるのではないかなあと思います。
とはいえ、誰かが動いてくれるのを待っていては、何も変わりません。
まずは自分から。率先して他人に親切できるように心がけていきたいと思います。
それでは、また(^^)/
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この記事を書いたスタッフ
チューリップ企画コールセンターのわかと申します。
静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。
日常の様々な出来事を物語化することが好きです。
学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。
そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。
今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!